研究課題
本研究は,炎症発癌に対する予防あるいは治療のための新規化合物の探索を行うことを目的にしている.申請者のこれまでの研究成果より,炎症発癌の起始は炎症細胞の局所浸出に端を発することに基づき,この浸出過程を遮断する新規低分子化合物を見出すために,培養スクリーニング系を確立した.その結果,400種超に及ぶ既知の各種シグナル等に対する低分子阻害化合物の中から,数種類の新規低分子化合物の選択を終えた.その中の代表候補化合物は,in vivoにおける種々の炎症誘発モデルにおいて細胞浸出を抑制した.さらにその候補化合物は,マウス炎症発癌モデルの癌化も抑制した.DNAマイクロアレイ解析の結果,その作用は,炎症反応シグナルとして中心的な作用を持つNF-κB発現とその関連分子の活性化を抑制することを見出した.このような炎症浸出や炎症性シグナルの遮断に関わる低分子化合物の最小骨格の同定を行った.既存で標品として入手できる低分子化合物の分割骨格を用いて,異物誘発炎症浸出を抑制する作用を指標に最小骨格を決定した.現在は,当該最小骨格を含む臨床薬を探索し,炎症反応および炎症発癌の遮断作用を検証している.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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