研究課題/領域番号 |
23590463
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
林 一彦 鳥取大学, 医学部, 教授 (30180962)
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キーワード | EBV / うさぎ |
研究概要 |
1)EBVのウサギ感染モデルによる長期自然経過を経時的に血液中抗体価、ウイルス定量等で対比しながら詳細に解析している。長期生存例の剖検でEBV関連腫瘍の発生や組織内のEBV感染細胞をEBER-1 ISH法で明らかにする予定である。 2)B細胞表面抗原CD21と結合すると想定されるEpstein-Barr virus (EBV)の主要なエンベロープ糖蛋白であるgp-350/220の3つの領域に対する合成ペプチドワクチンの効果をウサギEBV感染モデルで検定した。これらのペプチドワクチンは、EBV感染の程度を低減させたが、EBVの初感染の予防はできなかった。この結果より、ウサギEBV感染モデルでは、EBVエンベロープ糖蛋白gp-350/220とB細胞CD21との結合による感染経路以外にもEBV感染経路が存在することが示唆された。 3)EBNA-2欠損株のP3HR1由来EBVを用いたウサギ感染実験を行なった結果、P3HR1株のEBVはEBNA-2が欠損してもウサギに溶解感染を引き起こせる能力があるが、プロトタイプのB95-8株由来EBVと比べると感染の頻度や程度が低いことが判明し、EBV感染動物モデルとしてはB95-8の方が実験効率が良いが、P3HR1-EBVの感染モデルはEBNA-2の機能を解明する唯一のin vivoモデルとしての意義がある。 4)EBV潜伏感染ウサギを免疫抑制状態にしてEBV関連リンパ球増殖症(リンパ腫)誘発にはまだ成功していない。 5)BVのウサギ経口E感染機序の解明のための実験は、まだ施行できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備実験の結果や継続中の実験を利用できているので、発表や一部論文作成もできている。
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今後の研究の推進方策 |
ウサギEBV感染モデルを利用した実験の成果を発表して、その成果を論文として受理されるよう努力する。 ヒトEBV とサル由来のEBV-like virus のウサギに対する感染感受性や病原性の大きな差異 を生ずる原因の解明に着手する。 EBVウサギ経口感染の機序を解明する。 感染ウサギの長期観察を続ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
交付予定の総額90万円の研究費は実験に必要な動物や試薬キット、抗体、DNAプライマーの合成等の物品・消耗品・器械使用料等に使用する予定であり、また学会参加や論文投稿費用にも使用する予定である。 次年度への繰り越し金が29,363円が発生したのは、物品費(消耗品)が予定より安く購入できたものがあったり、数量が少なくて済んだためである。繰り越し金29,363円は25年度分の物品費に加えて、有効に使用する予定である。
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