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2014 年度 実績報告書

中皮腫における新規原因遺伝子の同定と発癌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23590464
研究機関島根大学

研究代表者

嘉数 直樹  島根大学, 医学部, 准教授 (20264757)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード悪性中皮腫
研究実績の概要

近年、様々な固形腫瘍において、原因となるだけではなく、治療の分子標的にもなりうる融合遺伝子・転写産物が続々と明らかになってきている。しかしながら、悪性中皮腫については世界的に患者数が増加しているにもかかわらず、原因となるような遺伝子異常はまだほとんど同定されておらず、有効な分子標的治療法も確立されていない。
我々は、悪性中皮腫の発生に関与する融合転写産物候補を同定すべく、細胞株(ACC-MESO-4)を対象に次世代シークエンサー(HiSeq 2000)によるRNA-Seq解析を行った。得られたpaired-end read配列情報を融合転写産物検出アルゴリズム(deFuse version 0.5.0)で解析し、網羅的に同定した。さらに、これらの中から、予想される融合遺伝子機能の点や他の複数の悪性中皮腫細胞株5株(ACC-MESO-1、NCI-H28、NCI-H2052、NCI-H2452、HMMME)における発現の有無の解析(RT-PCR)等により検証して、候補を絞り込んでいった。
その結果、DUS4L-BCAP29、PDPN-PRDM2が有力な融合転写産物候補として絞られた。これらは、正常組織由来のtotal RNAでは検出されないことも確認した。
DUS4L-BCAP29融合転写産物は複数の胃癌臨床検体においても検出されており、実験的に形質転換能を有することが報告されている。PDPNはACC-MESO-4も含めた複数の悪性中皮腫細胞株において過剰発現が報告されており、他の遺伝子との融合により転写が活性化されている可能性も考えられる。
今回同定した2種類の融合転写産物は悪性中皮腫の発生に本質的に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 次世代シークエンサーによる悪性中皮腫における融合転写産物の網羅的同定2015

    • 著者名/発表者名
      嘉数直樹、山根史嗣
    • 学会等名
      日本衛生学会学術総会
    • 発表場所
      ホテルアバローム紀の国(和歌山市)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-28

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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