ヒスタミンの合成酵素(HDC)欠損マウスでは、粥状硬化が減少する。同マウスでは卵巣摘出後の骨粗鬆症が抑制され、低エストロゲン状態での骨粗鬆症と動脈硬化の促進は、ヒスタミンの骨血管の病変形成への関連を示唆する。同マウス動脈硬化モデルに卵巣摘出を行い、骨血管病態とヒスタミンの関わりを検討した。HDC欠損とH2R欠損マウスにおいては、海綿骨の狭小化、密度の低下が見られた。HDC欠損による骨密度低下は報告されており、H2Rを介したシグナルと骨密度維持の関連が推定された。ヒスタミン代謝が骨量の維持に関連する可能性を示したが、動脈硬化病変の進展との関連は明瞭には指摘できなかった。
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