研究課題/領域番号 |
23590485
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
竹尾 暁 杏林大学, 医学部, 准教授 (40302666)
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キーワード | マラリア / 生殖母体 |
研究概要 |
本研究の目的は、赤血球内の熱帯熱マラリア原虫有性生殖期、生殖母体の周縁に見出された、コイル状の構造を呈する特定の機能未知分子(以下「本分子」と記)を広義の細胞骨格関連タンパク質と仮定して、以下A,B,Cを3年間で解析することである。 A.本分子と相互作用するタンパク質分子は何か? B.本分子ないし 相互作用分子 は、時間的・空間的にいかに形成され、変化するか? C. 本分子ないし 相互作用分子を欠くと、表現形質や相互作用分子はどう変化するか? 本24年度は、Aについては、前年度の進捗遅れの原因の一つであった、熱帯熱マラリア原虫・生殖母体期を培養するin vitro環境が整備された。適切な原虫株を選択し、生殖母体の大量調製と凍結保存まで行えた。 B.C. については、前年度に構築したトランスジェニック(遺伝子導入)原虫作製用のプラスミドを、実際に原虫に導入した。しかし、本分子の予想された発現は確認されなかった。そこで、野生型原虫の固定細胞に対して、本分子の組換えタンパク質に対する抗体にて再度IFA(間接蛍光抗体法)解析したところ、これまでの測定よりも発現は弱いことを示唆するデータを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Aについては、熱帯熱マラリア原虫・生殖母体の大量調製と凍結保存を済ませたが、完了を計画した免疫沈降法/電気泳動/質量分析による解析は、着手したところである。 B.C. については、前述の結果により、本分子の十分な発現を確保してその挙動を捕捉する解析が未着手である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の実施計画に則して、24年度の未了分を含めて進める。とくに、B.C. については、前述の結果を踏まえて、新規にプラスミドをデザイン構築する。他グループ報告から、本分子の十分な発現が期待される手法の見当を既につけており、改めて発現を検出捕捉できる原虫株を作製する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の24年度から次25年度へ使用移行する研究費が生じた大きな理由は、計画A.の質量分析が実施に着手したところで、計上した分析委託費用が未支出なことによる。25年度は分析を本格的に行う。また、計画B.C. では、プラスミドの再構築と本分子の十分量の強制発現を確保したところで、大きな支出が見込まれる解析作業を実施する。
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