研究課題/領域番号 |
23590489
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
菊池 三穂子 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 講師 (40336186)
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研究分担者 |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
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キーワード | 日本住血吸虫 / 肝線維化症 / 虫卵由来抗原 / 動物モデル / 免疫応答 |
研究概要 |
日本住血吸虫感染後、数年を経て発症する日本住血吸虫性肝線維症に対する有効な治療法、治療薬はない。しかしながら、フィリピンの浸淫地においては、未だ多数の患者が存在する。本研究においては、感染動物モデルを用いて肝線維化症の原因となる住血吸虫虫卵由来の抗原の機能を解析することにより重症化阻止ワクチン、あるいは有効な治療法の開発を目指して研究を推進する。マウスあるいはミニブタ住血吸虫感染動物モデルを用いて、シグナル配列トラップ法によりクローン化した約20種類の組み換え分泌虫卵抗原に対する免疫応答性、組み換え分泌虫卵抗原に対するモノクローナル抗体投与による虫卵結節形成の経過観察などを行い、より詳細な検討を行い肝線維化症重症化に寄与する虫卵由来抗原の機能を明らかにする。さらに、ヒトを対象として得た結果を動物モデルにフィードバックし、詳細な比較検討を行うことにより、肝線維化症の治療法開発を検討する 各種モノクローナル抗体を投与してから日本住血吸虫を感染させた、ミニブタの結果、マウスの実験結果を統括的に解析し、通常感染させたマウスでの病態と比較した。今後は、投与実験の結果を検討し、肝線維化症重症化に関わるような特定の免疫応答性を引き起こす虫卵由来抗原の同定をめざす。肝線維化症がある特定の分泌虫卵抗原によって刺激された免疫応答によって誘導されることが証明されれば、肝線維化症の重症化あるいは、軽減させることができるような重症化阻止効果があるワクチンの開発、あるいは治療法の開発に繋がるような知見を得ることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
虫卵由来の組み換え蛋白の作成が遅れたため、動物実験に移行するのに時間がかかった。組み換え蛋白を予定では20種としたが、最終的に十分量得られたのが、10種類であったため、これを用いて研究を遂行した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に行った実験結果について詳細な検討を行うと共に必要に応じて繰り返し実験を行う。免疫応答性の解析を免疫したマウス脾リンパ球を用いて虫卵・虫体抗原、各組み換え分泌虫卵抗原を用いて刺激し、各群でのサイトカイン産生あるいは、mRNAレベルでの発現量免疫応答性の相違について解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に行った実験結果から必要に応じて、マウスへの感染実験を行う為の費用、各種サイトカインの測定、組み換え蛋白の作成及びモノクローナル抗体の作成等に研究費を使用する。
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