• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

マラリアワクチンプラットフォーム技術基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590490
研究機関琉球大学

研究代表者

新川 武  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (50305190)

研究分担者 宮田 健  鹿児島大学, 農学部, 助教 (20448591)
山田 清太郎  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 研究員 (70650258)
キーワードワクチン / 免疫 / マラリア / 熱帯感染症
研究概要

マラリアワクチン開発において重要とされることは、新たな防御抗原を発掘することとその抗原の免疫原性を高めることである。本研究課題ではその取り組みの一環としてワクチン抗原をB細胞へ標的化することでワクチン抗原の免疫原性を向上させることが可能か検証してきた。特に、平成23年度と24年度は、「三部構成免疫賦活システム(TIPS)」の開発を進めてきた。このTIPSは、本来、免疫原性の低いマラリア原虫由来のワクチン候補抗原をコアモチーフ(コイルドコイル形成分子)と標的リガンドから構成される融合分子へ搭載することで、抗原の低免疫原性を克服できるシステムである。すなわち、B細胞標的化はマラリアワクチン抗原の低免疫原性克服に重要な要素であることが分かってきた。
マラリアワクチンのようにリコンビナントタンパク質を用いる必要性が高い場合において、自然免疫活性化のためのアジュバントや今回、TIPSで証明したような抗原提示細胞(今回の場合B細胞)標的化に加え、抗原の反復整列化は重要な要素であると考えている。最終的にはリコンビナントタンパク質性のワクチンを実用化していく上で、これら3要素は重要である。平成24年度までは、マラリア伝搬阻止ワクチン抗原(Pvs25)を用いてTIPSの機能解析を進めてきたが、平成25年度はマラリアの生活環の中でもメロゾイト期特異的に発現する抗原(MSP1)をTIPS化することでその機能解析を実施した。その結果、Pvs25の場合同様、高い発症防御機能が認められた。また、ウイルス感染症のモデルとして日本脳炎を用いてTIPSの機能を検証したところ、マラリアワクチンの場合同様、TIPS化することで高い感染防御能が認められた。
これらの結果は、B細胞を標的化することで、リコンビナントタンパク質性のワクチン候補抗原の機能性が高まることを示唆しており、今後のマラリアをはじめとするワクチン開発に重要な所見を与えるものであると考えている。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Tricomponent complex loaded with a mosquito-stage antigen of the malaria parasite induces potent transmission-blocking immunity.2014

    • 著者名/発表者名
      Arakawa T, Tsuboi T, Sattabongkot J, Sakao K, Torii M, Miyata T
    • 雑誌名

      Clinical Vaccine Immunology

      巻: 21 ページ: 561-569

    • DOI

      10.1128/CVI.00053-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tricomponent fusion complex comprising a viral antigen, a pentameric alpha-helical coiled-coil, and an immunoglobulin-binding domain as an effective antiviral vaccine.2014

    • 著者名/発表者名
      Arakawa T, Harakuni T, Miyata T, Tafuku S, Tadano M
    • 雑誌名

      Vaccine

      巻: 32 ページ: 864-871

    • DOI

      10.1016/j.vaccine.2013.12.016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A bio-nanocapsule containing envelope protein domain III of Japanese encephalitis virus protects mice against lethal Japanese encephalitis virus infection.2013

    • 著者名/発表者名
      Miyata T, Tafuku S, Harakuni T, Tadano M, Yoshimoto N, Iijima M, Matsuo H, Matsuzaki G, Kuroda S, Arakawa T
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology

      巻: 57 ページ: 470-477

    • DOI

      10.1111/1348-0421.12055

    • 査読あり
  • [学会発表] 三日熱マラリア伝搬阻止ワクチン候補抗原(Pvs25)の反復整列化とそのワクチン効果2014

    • 著者名/発表者名
      原國哲也、山田清太郎、宮田健、山口類、玉城志博、坪井敬文、Jetsumon Sattabongkot、橘真由美、鳥居本美、新川武
    • 学会等名
      第83回日本寄生虫学会
    • 発表場所
      愛媛大学城北キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140328
  • [学会発表] マラリアワクチン抗原搭載三部構成免疫賦活システム(TIPS)のマラリア伝搬阻止ワクチン機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      玉城志博、宮田健、原國哲也、坪井敬文、Jetsumon Sattabongkot、橘真由美、鳥居本美、新川武
    • 学会等名
      第54回日本熱帯医学会大会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール
    • 年月日
      20131003-20131005
  • [学会発表] 日本脳炎ウイルス抗原、コイルドコイル5量体、免疫グロブリン結合ドメインから構成される三部構成複合体のワクチン機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      山口類、新川武、宮田健、原國哲也、田福宣治、只野昌之
    • 学会等名
      第54回日本熱帯医学会大会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール
    • 年月日
      20131003-05
  • [学会発表] コレラトキシンB鎖と三日熱マラリア伝搬阻止ワクチン抗原Pvs25の融合体構築とそのワクチン機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      原國哲也、宮田健、坪井敬文、Jetsumon Sattabongkot、橘真由美、鳥居本美、新川武
    • 学会等名
      第54回日本熱帯医学会大会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール
    • 年月日
      20131003-05
  • [図書] 最新医学特集「次世代型感染症ワクチン」2014

    • 著者名/発表者名
      新川武
    • 総ページ数
      113
    • 出版者
      最新医学社
  • [備考] 琉球大学熱帯生物圏研究センター

    • URL

      http://www.tbc.u-ryukyu.ac.jp/ja/

  • [産業財産権] 樹状細胞表面タンパク質に対する抗体を有するバイオナノカプセル2013

    • 発明者名
      黒田俊一、松尾秀典、良元伸男、飯島益巳、新川武
    • 権利者名
      黒田俊一、松尾秀典、良元伸男、飯島益巳、新川武
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      第5458286号
    • 出願年月日
      2013-03-29
    • 取得年月日
      2014-01-24
  • [産業財産権] 薬物運搬体並びにこれを利用したアジュバント及びワクチン2011

    • 発明者名
      新川武、宮田健、松崎吾朗、坪井敬文
    • 権利者名
      新川武、宮田健、松崎吾朗、坪井敬文
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      第8580274号
    • 出願年月日
      2011-08-10
    • 取得年月日
      2013-11-12
    • 外国

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi