新興感染症「ヒト顆粒球アナプラズマ症」を引き起こすAnaplasma phagocytophilum (Ap)は、偏性寄生性細菌で、その感染過程は宿主細胞へ侵入する感染初期、寄生性小胞を形成して増殖する感染中期、およびアポトーシスを誘導して細胞外へ脱出する感染後期に分けることができる。本研究では、感染中期から後期におけるApの感染維持分子機構について解析した。その結果、Ap感染では小胞体の構造自体が変化しており、IRE-alpha、PERKおよびATF-6の3種の小胞体ストレスセンサーすべてが活性化し、宿主細胞内でのApの増殖や感染維持に有効的に機能していることが判明した。
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