研究課題
Helicobacter pylori陽性胃炎例1例および陰性胃炎例1例の胃生検組織から抽出したDNAを用いて次世代シーケンサにてメタゲノム解析を実施した。得られたデータは16SMetaganomics Workflowにより百分率表示により菌種構成として評価した。H.pyloriの胃内細菌叢に占める割合は0.7%と算出され、陰性患者の胃からは検出されなかった。胃内細菌叢の構成を門レベルで比較した結果、H.pylori陽性者ではProteobacteriaが最も多く、次いでFirmicutes、Bacteroidetes、Fusobacteria, Actinobacteriaであった。H. pylori陰性者の構成も同様であったが、Fusobacteriaは認められなかった。さらに、Proteobacteria門細菌の構成をみると、H.pylori陽性者においてNeisseriaceae, Burkholderiaceaeなど口腔由来の細菌の比率が高かったのに対して、陰性者ではEnterobacteriaceaeが(全体の約13%)、Pseudomonadaceae(10%)を占めていた。また、Firmicutus門細菌の比較ではH.pylori陽性、陰性者ともにStreptococcaceaeの比率が10%を超えていたが、Staphylococcaceae、Enterococcaceaeが陰性者の細菌叢にのみ少数検出された。Bacteroidetes門ではPrevotellaが陽性陰性者ともに多かった。Actinobacteria門の構成菌は陽性者ではRothiaが優勢であるのに対し、陰性者ではPropionibacteriumが多かった。今後は症例数を増やして解析するとともに、陽性者で口腔細菌の割合が高い原因を口腔フローラの解析と合わせて比較していく必要性が示された。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)
Microbiology
巻: 160(Pt5) ページ: 954-961
10.1099/mic.0.075994-0. Epub 2014 Mar 5.
J Med Microbiol
巻: 63(1) ページ: 129-137
10.1099/jmm.0.061135-0. Epub 2013 Oct 28.
Helicobacter
巻: in press ページ: hel 12127
10.1111/hel.12127.
PLoS One
巻: 8(9) ページ: e73301
10.1371/journal.pone.0073301. eCollection 2013.
Pathog Dis
巻: 69(1) ページ: 7-20
10.1111/2049-632X.12061.
巻: 18(Suppl S1) ページ: 66-72
10.1111/hel.12072.
Pediatrics Internatl
巻: 55(3) ページ: 337-341
10.1111/ped.12057.
巻: 159(7) ページ: 1379-1389
10.1099/mic.0.066597-0. Epub 2013 May 15.
F1000Res
巻: 2 ページ: 78
10.12688/f1000research.2-78.v1