研究課題/領域番号 |
23590539
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
西尾 真智子 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70156040)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | パラミクソウイルス / ミニゲノム / リコンビナントウイルス / ウイルス増殖 |
研究概要 |
1. Yeast two-hybrid systemによるパラインフルエンザ2型ウイルスのV蛋白と結合する宿主細胞蛋白の検索の結果、V蛋白と結合する宿主蛋白として、caspase-1が見つかった。さらに、 mammalianの細胞でV蛋白とcaspase-1が直接結合する事を免疫沈降法にて確認した。2. V蛋白とcaspase-1の結合によりIL-1βの活性化が抑制されている事が明らかになった。また、V蛋白特異的領域のシステインに変異を入れた変異V蛋白はcaspase-1と結合できず、IL-1βの活性化を抑制できなかった。3. Yeast two-hybrid systemによるパラインフルエンザ2型ウイルスのV蛋白と結合する宿主細胞蛋白の検索の結果、ユビキチン様蛋白質であるNEDD8が見つかった。しかし、mammalianの細胞でNEDD8を検出できず、V蛋白との結合を確認する事が出来なかった。4. V蛋白がウイルス出芽に関与している事は解っていたが、関与する宿主蛋白はほとんど明らかでない。HIVなどで出芽に関与する事が明らかになっているtetherinとV蛋白との結合を検討した結果、免疫沈降法により直接結合している事が明らかになった。5. パラインフルエンザウイルス2型の細胞融合に関する研究の成果で、Rho family GTPasesとの関連が解っていた。Yeast two-hybrid systemによる宿主細胞蛋白の検索結果、V蛋白と結合するRho GTPase activating proteinが見つかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年9月に三重大学より和歌山県立医科大学に所属研究機関を移動した事により、遺伝子組換え関連の許可を新たに取得する必要があり、実験を中断する期間があった。また、研究に必要な器具、装置、備品等も所属研究機関で違いがあったため、実験を計画通り進める事が難しかったため。
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今後の研究の推進方策 |
和歌山県立医科大学で、研究が進められるように、準備が整いつつあり、昨年度の研究成果を和歌山県立医科大学の研究室でもう一度、確認する事から研究を進めて行く。昨年度明らかになったパラインフルエンザウイルス2型V蛋白と結合する幾つかの宿主蛋白を中心に当初の計画に沿って研究を推進して行く予定である。また、昨年度までに得られた研究成果は、ウイルス学会において発表し、さらに論文として発表できるようにまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
所属研究機関移動により研究に必要な器具等で不足しているものを中心に研究費を使用する予定である。成果発表、情報収集に関しては複数の国内学会に参加予定である。
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