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2013 年度 実施状況報告書

宿主遺伝子多型が抗HCV剤感受性に及ぼす機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23590544
研究機関岡山大学

研究代表者

池田 正徳  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30315767)

キーワードIL28B SNP / rs8099917 / rs12979860 / rs8113007 / インターフェロン
研究概要

本年度はIFN応答性を予測するIL28B領域の一塩基多型 (SNP)を決定する過程で見出されたこれまでに報告されていないSNP (rs8113007)を偶然見出したのでこれについて検討した。これまでに、日米のグループからrs8099917およびrs12979860がそれぞれIFN応答性を予測するすぐれたSNPとして報告されている。rs8099917とrs12979860は約4300塩基は離れて存在する。今回新たにIFN応答性に関わることが予測されたrs8113007はrs8099917の近傍(62塩基)に存在するSNPである。昨年度まに13種類の肝細胞株のIL28B SNPsを検討したが、本年度はrs8113007の遺伝子型について検討した。rs8113007は13種類のうち12種類では遺伝子型がrs8099917およびrs12979860と一致したがHepG2ではrs8099917、rs12979860、rs8113007の遺伝子型はそれぞれIFN反応型、抵抗型、抵抗型であった。このことは、HepG2では3つのSNPsで遺伝子型が乖離しており新たに見出された、rs8113007は近傍のrs8099917ではなく離れたrs12979860と遺伝子型が一致するという興味深い結果を示している。本年度の研究で見出されたrs8113007はIFN応答性に関しこれまでのSNPのIFN応答性予測を補える可能性があり臨床での有用性が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の目的はIL28B領域のSNPの違いによるIFN応答性が異なる機構を培養細胞を用いて明らかにすることである。昨年までに、13種類の肝細胞株のSNPを決定した。この13種類の肝細胞株のなかにはHCV複製が可能なHuH-7細胞株とLi23細胞株が含まれ、それぞれのSNPはIFN抵抗性および感受性の遺伝子型であった。また、HepG2細胞株は代表的なSNPであるrs8099917ではではIFN感受性の遺伝子型であったのに対してrs12979860ではIFN抵抗型となり乖離する結果となった。本年度はさらに偶然見出されたrs8113007がrs8099917の近傍にあるにもかかわらず、離れたrs12979860の遺伝子型と関連しているという予想外の結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

新たにIFN応答性予測に関わるIL28B領域のSNPとしてrs8113007を見出すことができた。rs8113007はrs8099917から62塩基、rs12979860からは約4300塩基離れて存在するが、IFN応答性に関する遺伝子型はrs12979860にリンクするという興味深い結果が得られた。rs8113007が肝細胞株でどのようにIFN応答性と関わるかについて本年度はさらに検討する。さらに、rs8113007がC型慢性肝炎患者のIFM治療結果とどのように関連するかについても本年度は検討してゆく。

次年度の研究費の使用計画

想定していたインターフェロン治療予測に関するIL28B SNPとは異なる新規のSNP(rs8113007)
を偶然見出し、研究計画の変更の必要性が生じたため。
新規に見出したSNPはこれまでに報告されたSNPとは異なる、インターフェロン治療予測効果ができる可能性があるため、培養細胞以外にもC型慢性肝炎の患者サンプルを用いて検討する。本年度の検討で培養細胞にとどまらず臨床での有用性についても検討する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Adenosine kinase is a key determinant for the anti-HCV activity of ribavirin2013

    • 著者名/発表者名
      Mori K, Hiraoka O, Ikeda M, Ariumi Y, Hiramoto A, Wataya Y, Kato N
    • 雑誌名

      Hepatology

      巻: 58 ページ: 1236-44

    • DOI

      10.1002/hep.26421. Epub 2013 Aug 19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PML tumor suppressor protein is required for HCV production2013

    • 著者名/発表者名
      Kuroki M, Ariumi Y, Hijikata M, Ikeda M, Dansako H, Wakita T, Shimotohno K, Kato N
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun

      巻: 430 ページ: 592-97

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2012.11.108. Epub 2012 Dec 5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] New preclinical antimalarial drugs potently inhibit hepatitis C virus genotype 1b RNA replication2013

    • 著者名/発表者名
      Ueda Y, Takeda M, Mori K, Dansako H, Wakita T, Kim HS, Sato A, Wataya Y, Ikeda M, and Kato N
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8 ページ: e72519

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0072519. eCollection 2013

    • 査読あり
  • [学会発表] Raloxifene inhibits hepatitis C virus infection and replication2013

    • 著者名/発表者名
      Takeda M, Ikeda M, Mori K, Yano M, Ariumi Y, Dansako H, Wakita T, Kato N
    • 学会等名
      20th international symposium on hepatitis C virus and related viruses
    • 発表場所
      Melbourne (Australia)
    • 年月日
      20131006-20131010
  • [学会発表] Anti-HCV activity of Cordyceps militaris used as a chinese herbal medicine2013

    • 著者名/発表者名
      Ueda Y, Mori K, Satoh S, Dansako H, Ikeda M, Kato N
    • 学会等名
      20th international symposium on hepatitis C virus and related viruses
    • 発表場所
      Melbourne (Australia)
    • 年月日
      20131006-20131010
  • [学会発表] 骨粗鬆症治療剤であるラロキシフェンの抗HCV活性機構について2013

    • 著者名/発表者名
      武田 緑、池田 正徳、森 京子、矢野 雅彦、有海 康雄、團迫 浩方、脇田 隆字、加藤 宣之
    • 学会等名
      第49回日本肝臓学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130606-20130607
  • [備考] 腫瘍ウイルス学分野

    • URL

      http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/dmb/index.html

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公開日: 2015-05-28  

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