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2014 年度 実績報告書

MD分子による免疫応答制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23590564
研究機関愛知医科大学

研究代表者

高村 祥子(赤司祥子)  愛知医科大学, 医学部, 教授 (00325599)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードMD-1 / 脂質 / B細胞
研究実績の概要

当研究課題での研究計画は以下の通りである。(1.脂質代謝・運搬に対するMD-1の役割 2.エンドトキシンショックにおけるMD-1の重要性 3.MD-1と自己免疫疾患との関連 4.脂質会合分子MD分子群の機能解析 5.脂質会合機能とTLR応答および抗体産生機能との関与)
本年度は前年度の引き続き(延長申請)で1.の発展に関してさらに解析を進めた。これまでの結果でMD-1がリゾリン脂質のひとつ、スフィンゴシン1リン酸(S1P)とも結合することがわかったことからS1PとMD-1とのかかわりを調べるため、S1P受容体のノックアウトマウスを用いて検討したところ、S1P1が欠失したマウスのB細胞ではRP105抗体刺激、CD40刺激、IgM抗体刺激などによるB細胞の活性化や増殖反応が減弱していることがわかった。またこのB細胞ではIgMhiIgDhi のmature B細胞が減少し、IgMhiIgDloのimmature B細胞が増加していたことから、S1P/S1P1はB細胞の成熟分化にも関与することがわかった。なおワイルドタイプのB細胞においてもS1P1アンタゴニストやスフィンゴシンキナーゼインヒビターでS1P機能を阻害するとB細胞活性化が抑制されるという結果を得た。このことから、B細胞分化への影響が関与しなくても、S1P/S1P1はB細胞活性化において重要であることがわかった。さらになぜS1P/S1P1はB細胞活性化において重要であるのかを検討するため、B細胞受容体(BCR)やS1P1受容体に対する抗体を用いて免疫沈降を行った。その結果、BCR(B細胞受容体)とS1P1とは会合していることが判明し、S1P/S1P1シグナルがBCRシグナルを強めるように機能している可能性が考えられた。
またいっぽうで、われわれはMD-1欠失マウスをSLEモデルマウスにかけあわせたマウスではB細胞リンパ腫になりやすい傾向を見出している。このことから、MD-1によるリンパ腫発症制御のメカニズムに関して、S1P/S1P1およびBCRへのMD-1の作用を中心にさらに検討を進めてゆく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] TLR4応答におけるRP105/MD-1の役割2014

    • 著者名/発表者名
      森田奈央子、高村祥子
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 62 ページ: 217-222

  • [雑誌論文] スフィンゴシン1リン酸の生体における機能について2014

    • 著者名/発表者名
      中島昭奈、高村祥子
    • 雑誌名

      エンドトキシン・自然免疫研究

      巻: 17 ページ: 49-52

  • [学会発表] MD-1 influences a binding between S1P1and BCR2015

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Akashi-Takamura, Natsuko Yamakawa, Natsuko Tanimura,Takuma Shibata, Kazuhiro Suzuki, Junichi Kikuta, Masaru Ishii, Kensuke Miyake
    • 学会等名
      日本細菌学会総会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-28
    • 招待講演
  • [学会発表] The search for endogenous ligands of RP105/MD-1 receptor complex on B cells2015

    • 著者名/発表者名
      Erdenezaya Odkhuu, Naoko Morita, Yuji Motoi, Kensuke Miyake, Sachiko Akashi-Takamura
    • 学会等名
      4th Bizan Immunology Symposium
    • 発表場所
      徳島大学(徳島)
    • 年月日
      2015-01-29 – 2015-01-30
  • [学会発表] MD-1 influences a binding between S1P1and BCR2014

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Akashi-Takamura, Natsuko Yamakawa,Takuma Shibata, Yosuke Kurashima, Jun Kunisawa, Hiroshi Kiyono, Kazuhiro Suzuki, Junichi Kikuta, Masaru Ishii, Kensuke Miyake
    • 学会等名
      日本免疫学会総会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
    • 年月日
      2014-12-10 – 2014-12-12
  • [学会発表] The search for endogenous ligand of RP105/MD1 receptor complex on B cell2014

    • 著者名/発表者名
      ODKHUU Erdenezaya, MORITA Naoko, MOTOI Yuji, MIYAKE Kensuke, AKASHI-TAKAMURA Sachiko
    • 学会等名
      日本免疫学会総会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
    • 年月日
      2014-12-10 – 2014-12-12
  • [学会発表] Lipopolysaccharide downregulates the expression of p53 through activation of MDM2 and enhances activation of nuclear factor-kappa B2014

    • 著者名/発表者名
      Erdenezaya Odkhuu, Adilsaikhan Mendjargal, Naoki Koide, Naoko Morita, Sachiko Akashi-Takamura and Takashi Yokochi
    • 学会等名
      日本エンドトキシン・自然免疫研究会
    • 発表場所
      順天堂大学(東京)
    • 年月日
      2014-12-05 – 2014-12-06
  • [備考] 愛知医科大学 医学部 感染・免疫学講座2(旧寄生虫学)

    • URL

      http://www.aichi-med-u.ac.jp/M-I2/index.html

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公開日: 2016-06-01  

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