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2013 年度 実績報告書

肥満による慢性炎症性病変の新規制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23590567
研究機関三重大学

研究代表者

緒方 正人  三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60224094)

キーワード慢性炎症 / MAPキナーゼ / 血液細胞 / 代謝症候群 / p38 / 遺伝子改変マウス
研究概要

慢性炎症は、成人病を含むさまざまな疾患の原因や増悪因子となる。肥満は、代謝症候群と密接な関係を有し、脂肪組織の慢性炎症を誘導することによって耐糖能の低下などを引き起こすと考えられている。p38alpha MAPキナーゼ(MAPK)経路が炎症制御に関わることが知られているが、肥満による慢性炎症における役割は明らかでない。
Tie2-Creトランスジェニックマウスを用いてp38alpha遺伝子を血球系で特異的に欠くコンディショナルノックアウトマウスを作成し解析してきた。これまでの解析で、肥満時の脂肪組織へのM1様マクロファージ(F4/80+, CD11c+)の浸潤が低下すること、炎症性サイトカインであるMCP-1やIL-6, IL-1betaなどの遺伝子発現には大きな変化はないが、CCR2やCCR5など、細胞遊走に関わるケモカイン受容体の遺伝子発現が大きく低下していることを見出した。よってp38 alpha MAPK経路は、M1様マクロファージにおいては、ケモカイン受容体発現制御を介して脂肪組織への集積を制御していると考えられた。この解析では血球系細胞全般でp38alpha経路が働かないため、この結果をもってM1様マクロファージにおけるp38alpha経路の直接的効果と断定するには限界がある。そこで、CD11c-Creトランスジェニックマウスを用いたノックアウトマウスを作成し解析した。このマウスに高脂肪食を与えたところ、体重増加が抑制され、また、高脂肪食投与時の耐糖能の改善も認めた。従って、CD11c陽性細胞のp38alpha経路が、その下流で慢性炎症が関わる耐糖能に影響する一方、代謝が関わる体重にも影響することが明らかになった。CD11c陽性細胞による代謝制御機構には不明な点も多く、今後も本モデル系で検討を加えて行きたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Critical role of p38 MAPK for regeneration of the sciatic nerve following crush injury in vivo2013

    • 著者名/発表者名
      Kato, N., Matsumoto, M., Kogawa, M., Atkins, G.J., Findlay, D.M., Fujikawa, T., Oda, H., and Ogata, M.
    • 雑誌名

      Journal of neuroinflammation

      巻: 10 ページ: 1

    • DOI

      10.1186/1742-2094-10-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MAPK1 is required for establishing the pattern of cell proliferation and for cell survival during lens development2013

    • 著者名/発表者名
      Upadhya, D., Ogata, M., and Reneker, L.W.
    • 雑誌名

      Development

      巻: 140 ページ: 1573-1582

    • DOI

      10.1242/dev.081042

    • 査読あり
  • [学会発表] p38alpha in blood cells regulates high-fat-induced insulin resistance and obesity

    • 著者名/発表者名
      Sadatsugu Ookuma, Takahiko Fujikawa, Kinya Otsu, and Masato Ogata.
    • 学会等名
      第85回日本生化学学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都)
  • [学会発表] p38alpha mitogen-activated protein kinase in blood cells regulates high-fat-induced insulin resistance and obesity

    • 著者名/発表者名
      Sadatsugu Ookuma, Masato Ogata.
    • 学会等名
      第42回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
  • [学会発表] 血球系p38alpha MAPキナーゼによるインスリン抵抗性および肥満の制御

    • 著者名/発表者名
      大隈貞嗣、藤川隆彦、緒方正人
    • 学会等名
      第6回日本プロテインホスファターゼ研究会学術集会
    • 発表場所
      三重大学環境・情報科学館(三重)

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公開日: 2015-05-28  

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