研究課題/領域番号 |
23590581
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
國島 広之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60339843)
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研究分担者 |
徳田 浩一 東北大学, 大学病院, 講師 (10518400)
八田 益充 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80528258)
青柳 哲史 東北大学, 大学病院, 助教 (50581609)
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キーワード | 感染制御学 |
研究概要 |
医療環境において、良く触れる部位(High touch surface)および空調設備は、医療従事者の手指衛生や標準予防策の低い遵守率と併せて、感染対策上のリスクとなることが近年再認識されている。病院および地域の医療機関におけるHospital floraとしての薬剤耐性菌の状況、施設の解析疫学に基づく感染症・感染対策のリスクアセスメント、空調設備、ヒト・モノの動きの制御 による病院環境(Hospital flora)におけるファシリティーマネージメントを含めたリスクマネジメントとそのアウトカムについて評価を実施する。 前年度に引き続き、エアーサンプラーMAS-100(MERCK)を置き、ISO20202に基づき、10分間で1000リットルの空気の採集を行った。最も多く検出されたCNSのうち、メチシリン耐性株(MRCNS)の頻度は採取病棟により、5~60%、平均30%から分離同定された。同時期における病院全体でのMRCNS/CNSは14%(25/184)であった。日勤帯では夜勤帯より有意にMRCNSが検出された。 ATPふき取り検査を用いて環境汚染度を調査した。歯科外来における診療後にパソコンのキーボードおよびマウス、作業台、カメラ、光照射器、引き出し、X線撮影装置の照射ボタン、受付天板を対象とし、各6回計測しRLU(Relative Light Unit)で数値化したものを評価した。測定はATP+AMP拭き取り検査を用い、測定器はルミテスターPD-20を使用した。全測定においてRLUは1,000以上を示した。最も高い数値が計測されたのは光照射器であり、34,542であるとともに、全計測対象より安全基準とされる500RLUを大きく上回る汚染度が検出された。 病棟の空気環境中から様々な薬剤耐性菌が検出されるとともに、良く触れ部位における清浄度は十分ではないことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究では、病院のICU・CCU、手術室、中央材料部、検査部、一般病棟、外来などの病院環境を対象とし、研究期間内に30箇所以上として検討を行うことができたことに加えて、今回、地域における医療機関も対象に加えて検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
・ 施設調査で得られた検出状況の特徴をふまえた解析疫学結果および、薬剤耐性菌のPFGEおよび遺伝子型別検査結果をもとに、医療 施設におけるHospital floraリスクを明らかにする。 ・ 得られたリスクアセスメントは環境整備の不徹底のみといった単一の要因ではなく、構造設備、清掃の実態を含めた空調管理状況 、医療従事者の業務(ヒト・モノの流れ)プロセス評価など複数の対策によるBundle approachの手法を用いた評価を行う。 平成24年度と同様のHospital floraを再度行い、MRSAおよびMRSE、アシネトバクター、カンジダ属菌、アスペルギルスなどの検出状況および臨床分離株との比較検討を行い、Bundle approachの手法を用いたHospital floraに関する薬剤耐性菌制御の効果を疫学的に評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、 平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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