研究課題
医療チームの中で長期的視野をもって患者ケアを担える薬剤師を、持続的に輩出するために、本課題に着手した。最終年度にあたる本年度は、前年に引き続き薬学生、現役薬剤師、教員、看護学生など、症例検討に必要な情報の認識について調査を行い、各々の特性を明らかにして成果を発表した(第16回日本医薬品情報学会学術大会、第16回日本補完代替医療学会学術大会、第52回日本医療薬学会年会など)。薬学生教育に関しては、3年の研究期間中計6クール、各11週間の病院実習に際して毎週症例検討会を行った。薬物療法上の危険予知など、薬学的立場からの症例検討の論点を実習オリエンテーションで提示し、その後の症例検討会で用いた。同一症例に継続して関与する環境を提供することにより、学生の満足度や理解度が向上することが示された(投稿準備中。Title: Long-Term Case Reviews Help Pharmacy Students Develop Clinical Competency: A New Approach to On-Site Training)。さらには本研究の過程で、新たな問題も明らかになった。症例フォローアップに際して薬学的論点とすべき「患者の薬物療法に関わる状態の評価」は経験的になされることが多く、客観的で汎用性のある指標が意外にも確立されていないという点である。これについては、フィジカルアセスメントなどによる評価を含め、今後新たな課題研究として進展させる必要があるものと考えられる。本研究の成果をふまえ新たな課題の基盤形成のため、薬学生に対するフィジカルアセスメント教育、東北大学病院薬剤部や宮城県病院薬剤師会員を対象にしたフィジカルアセスメント研修などについては、多くの関係者の協力を得て既にカリキュラムを作成して実施しているが、薬物療法に関わる評価指標の創出と体系化を目指し、さらに研究を進める。
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日本病院薬剤師会雑誌
巻: 49 ページ: 1091-1095
https://mol.medicalonline.jp/archive/search?jo=dg4hppha&ye=2013&vo=49&issue=10
医薬品相互作用研究
巻: 36 ページ: 39-43
巻: 37 ページ: 37-43
http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~educntr/index-j.shtml