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2012 年度 実施状況報告書

医学生における専門職連携教育の長期学習効果の評価とプログラムの有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23590586
研究機関千葉大学

研究代表者

朝比奈 真由美  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00302547)

キーワード専門職連携教育 / 専門職連携能力尺度
研究概要

専門職連携教育(Interprofessional Education、以下IPE)は、チーム医療実践能力を修得させることを目的として、多くの医療・福祉系の学部・大学で実施されるようになってきている。しかしIPEの長期学習効果を検討した報告は少ない。本研究は医学生の卒業前後の期間の専門職連携能力を複数の評価法を組み合わせて経年的に評価し、IPEの長期学習効果を評価するとともに、プログラムの有用性を検証する。
千葉大学医学部・薬学部・看護学部が協働して2007年からIPEを実施している。2007年度入学者に対してIPEを開始し、年次進行でプログラムを展開してきた。IPE履修者が初めて卒業するのは2013年であり、その前後の学生を調査することによりIPEの長期学習効果を比較検討することができる。
2011年度は、まず最初にIPEのコンピテンシーを評価する評価尺度に関する調査および情報収集を行なった。欧州医学教育学会に参加し、情報収集を行った。その後、研究代表者および連携研究者が作成した専門職連携能力評価尺度を含めた複数の評価尺度を組み合わせて、2012年3月の卒業時に本学医学部学生に対して専門職連携実践能力のアンケート調査を行なった。2011年度の調査対象者はIPE開始以前の学生であることから、2012年度以降卒業するIPE開始後の学生との比較研究を行っていく上での基盤データとして解析を進めた。
2012年度は、2013年3月に6年生の卒業時調査、および研修開始1年後の研修医に対する調査を行い解析を進めた。また、欧州医学教育学会、米国医学教育学会、専門職連携学会等に参加し、情報収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は医学生の卒業前後の期間の専門職連携能力を複数の評価法を組み合わせて経年的に評価し、IPEの長期学習効果を評価することである。2011年度に行なった第1段階は、評価の準備段階であり、評価尺度に関する情報を収集し使用する評価尺度の選定を行なうとともに、千葉大学医学部の6年次学生(IPEプログラム導入前)に対し評価を行なうことであった。2012年3月までに評価尺度が完成し、6年次学生に卒業時アンケート調査を実施しIPE導入前の基礎データとした。2012年度はIPE開始初年度にあたる医学部6年生に対し卒業時アンケート調査を行って前年度のデータと比較解析するとともに、IPE経験のない研修1年目の初期研修医に対しアンケート調査を実施し、来年度初期研修医調査との比較検討に向けての基礎データとした。

今後の研究の推進方策

医学部6年次学生約100名に対して、前年度と同じ評価尺度での評価を行なう。2012年度調査対象の医学生と今年度調査対象の医学生は、IPEプログラムが導入された初年度から4年間に渡って学年進行でIPEを受けてきた学年であり、実施群と位置づけられる。得られたデータを集計し、2011年度に得られた対照群のデータと比較検討し、IPEの教育効果を検討する。また千葉大学医学部附属病院の初期研修1、2年目の医師に対して同様の評価を行なう
。他大学でIPEを受けた医師とそうでない医師、1、2年目の医師の専門職連携能力の差などについての比較検討を行なう。6年次学生と初期研修医に対しインタビューを実施する。「専門職連携についての学習」、「専門職連携の実践」に関する語りを収集し、インタビューデータの分析を行なう。

次年度の研究費の使用計画

アンケートデータの打ち込み、データの解析、インタビューデータの文書化の費用、および国内外の学会での成果発表、情報収集に使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 医師養成課程におけるプロフェッショナリズム教育の現状調査2012

    • 著者名/発表者名
      朝比奈真由美、河本慶子、宮田靖志、野村英樹、尾藤誠司、板井孝壱郎、浅井篤、天野隆弘、井上千鹿子、大生定義、後藤英司
    • 雑誌名

      医学教育

      巻: 43 ページ: 447-452

  • [学会発表] Multi-step, structured, four-year interprofessional education program (Inohana IPE). Step 2 improvement2012

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Asahina, M. Miyazaki, M. Sakai, I. Ishii, Y. Takahashi, T. Maeda, S. Ogawa, S. Okada, S. Ito, M. Tanabe
    • 学会等名
      All Together Better Health VI
    • 発表場所
      兵庫、神戸
    • 年月日
      20121005-20121008
  • [学会発表] Inohana IPE: Multistep, structured, four-year interprofessional education course2012

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Asahina
    • 学会等名
      An International Association for Medical Education AMEE2012
    • 発表場所
      フランス、リヨン
    • 年月日
      20120825-20120829
  • [学会発表] 専門職連携教育(IPE)は強力なプロフェッショナリズム教育である

    • 著者名/発表者名
      朝比奈真由美
    • 学会等名
      第44回日本医学教育学会大会
    • 発表場所
      神奈川、横浜
  • [学会発表] 医学部臨床実習への薬学部学生の参加-医学生・薬学生の意識調査-

    • 著者名/発表者名
      朝比奈真由美、伊藤彰一、前田崇、石井伊都子、田邉政裕
    • 学会等名
      第44回日本医学教育学会大会
    • 発表場所
      神奈川、横浜
  • [学会発表] Interprofessional実践能力評価尺度の開発:構成概念妥当性の検討

    • 著者名/発表者名
      山本武志、酒井郁子、高橋平徳、前田崇、国井由生子、黒河内仙奈、朝比奈真由美、石井伊都子、相馬仁、宮崎美砂子
    • 学会等名
      第44回日本医学教育学会大会
    • 発表場所
      神奈川、横浜
  • [学会発表] Interprofessional実践能力概念の整理と検討

    • 著者名/発表者名
      前田崇、酒井郁子、高橋平徳、山本武志、国井由生子、黒河内仙奈、朝比奈真由美、石井伊都子、宮崎美砂子、伊藤彰一、関根祐子、小河祥子、田邉政裕
    • 学会等名
      第44回日本医学教育学会大会
    • 発表場所
      神奈川、横浜
  • [図書] シリーズ生命倫理学 第19巻 医療倫理教育 第7章 シリーズ生命倫理学編集委員会編2012

    • 著者名/発表者名
      朝比奈真由美、宮田靖志、野村英樹、後藤英司
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      丸善出版

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公開日: 2014-07-24  

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