研究課題/領域番号 |
23590590
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿部 恵子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (00444274)
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研究分担者 |
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90154559)
藤崎 和彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (60221545)
丹羽 雅之 岐阜大学, 医学部, 教授 (40156146)
加藤 智美 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90345778)
若林 英樹 岐阜大学, 医学部, 助教 (00378217)
川上 ちひろ 岐阜大学, 医学部, 助教 (50610440)
西城 卓也 岐阜大学, 医学部, 助教 (90508897)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 情動能力 / 共感 / コミュニケーション / 医学教育 / 継続的教育 |
研究概要 |
平成23年度は以下の2点について実施した。 1)EIとPES日本語版の併存妥当性と因子的妥当性の検証EIとPES日本語版の信頼性と妥当性(併存妥当性と因子的妥当性)を検証した。その結果を第43回医学教育学会International sessionn部門で発表し、Award of Academic Excellenceを受賞した。論文は現在、医学教育雑誌に投稿中である。平成24年1月には9th Asia Pacific Medical Education Conferenceにて、医学生の情動能力の経年的変化について発表した。2)継続的情動能力育成(CEISE)プログラムの開発本プログラムは、1年次対象に行われる地域体験実習を本研究目的の主眼に置き、より自分の感情、他者の感情に気づくように、自己認知, 自己省察、自己管理の内面に向けた観察に焦点を当てる。方法:1年生は20~30人のグループになり4施設(保育園2カ所、マタニティークリニック、高齢者施設)のどれか一つの施設に週に1回出向く。3時間の実習で、学生は同じ対象者と8週間の継続的交流を行う。実習後、毎回学生は気づいたこと、感じたことをポートフォリオに書き、教員がフィードバックする双方向性の教育を行う。実習終了後、学生のポートフォリオを質的に分析し、学生の情動がどのように影響を受けたか確認する。現在、これらの得られたデーターを入力し分析を開始する所である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査票日本語版の妥当性検証の論文は年度内に受理される計画であったが、論文作成が遅れて、次年度に繰り越してしまった。しかし、現在、査読を終了し再投稿したので、間もなく結果が出ると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は以下の3点を目的として研究を進める。1、医学生のEIの特徴を明らかにするために、複数の学部生を対象に情動能力に関する調査を実施する。医学部、看護学、薬学、そして工学部、文学部に依頼しデータ収集する。学部間、性別での違いを、統計ソフトSPSSを用いて、T検定、ANOVAなどの有意差検定を行う。そして、横断研究の結果を国内外の学会にて発表し、論文を作成する。2、CEISEプログラムの開発を引き続き行う。6年間継続的プログラムの組立: 情動能力が高まるような6年一貫のCEISEプログラムを開発する。方法は、1年生:8週間の地域体験実習(10月初め~11月末まで)、2年生:7週間の授業で、SP参加型教育を積極的に取り入れ、理論と実践を関連づける。3年生:地域医療学習で、これまで育成した情動能力を医療現場での実践へと応用する。4年生:SP参加型教育により、医療面接の基本を学ぶ。5年生:SP参加型教育により、医療面接の上級編と、身体診察を含むAdvanced-OSCEの練習を行う。6年生:臨床実習中の自己省察をe-ポートフォリオにて評価する。3、シナリオ作成とSP養成:2年次、4年次、5年次に実施するSP参加型実習用のSPが感情を表現しやすく、また学生の感情が動くようなシナリオを作成する。SP養成では、SP感情の表現の仕方(喜び、悲しみ、怒り)に留意した練習を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内外の学会への参加旅費及び宿泊費 40万円データ入力の雇用費 10万円実習時のグループ発表用書画カメラ付プロジェクター 10万円
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