研究課題/領域番号 |
23590590
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿部 恵子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00444274)
|
研究分担者 |
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90154559)
藤崎 和彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (60221545)
丹羽 雅之 岐阜大学, 医学部, 教授 (40156146)
加藤 智美 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90345778)
若林 英樹 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 勤務医 (00378217)
川上 ちひろ 岐阜大学, 医学部, 助教 (50610440)
西城 卓也 岐阜大学, 医学部, 助教 (90508897)
|
キーワード | 情動能力 / 共感 / コミュニケーション / 継続的教育 / 模擬患者 / 多職種連携教育 / 医学教育 |
研究概要 |
1) EIとPES日本語版の信頼性と妥当性の検証についての論文が医学教育雑誌に掲載された。 2)継続的情動能力育成(CEISE)プログラムの開発:1年次対象地域体験実習再検討した。実習対象者である市民との交流中、学生がより自分の感情、他者の感情に気づくように自己認知, 自己省察、自己管理の内面を意識するための指導を強化した。具体的には、実習前に、前回からの振り返りを行なった上で、今日の目標を考え、そのための対策もグループで検討した。教員からのアドバイスも適宜行なった。実習後、グループで振り返りを行ない、できた事、改善が必要な事を検討した。さらに、毎回学生はe-ポートフォリオにて、気づいたこと、感じたことを書き、教員がきめ細かくフィードバックする双方向の指導を行なった。また、教員側の観察力・指導力も重要であるため、教員の準備教育として事前にミーティングを十分に行なった。新人スタッフは数回見学をしてから加わった。現在、学生のポートフォリオを質的に分析し、学生の情動がどのように影響を受けたかを確認している。医学生の性格特性と情動能力の相関を分析し学会にて発表した。また、新たに医・薬・看護学生対象の多職種連携教育をのパイロット調査を行い、学生の情動能力への影響を検討し学会にて発表した。 3)医学生のEIの特徴を解析:医学、薬学、看護学の医療系学生、及び、工学部生、文学部生を対象に情動能力の調査を行い分析した。「医学生のTrait Emotional Intelligenceに関する研究:医療系学生・非医療系学生との比較」という題名で、7月の第45回発表会で報告する予定である。 4)SP養成:感情の表現(喜び、悲しみ、怒り)のできるSPを養成する。それに先立ち東海地区で、SPの質の向上及びSPの共有化のためにSP養成者のネットワークを作り、2月16日に勉強会&交流会を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度計画した論文作成と研究については実行できたが、感情を表現するSPの養成及びシナリオ開発が遅れている。今年度は感情表現できるSPの養成(上級SP)及び、俳優の活用をして、自他の感情をコントロールしながら患者をケアできる医師を育成するための教材DVDを作成を予定していたが、次年度に持ち越しとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
1)調査研究のまとめ:地域体験実習を通じて情動能力がどのように影響を受けたかに関する研究の量的、質的解析を行い、鋭意論文作成する。現在質的分析の論文執筆プロジェクトを結成し、月に1回研究-ミーティングを実施している。間もなく論文が完成する予定である。また、横断調査である「医学生のEI & Empathyの学年及び性別による差異の検討」についての論文は、現在査読者の意見を受けて修正中である。4月中の再投稿を目指す。縦断研究である医学生のEIの経年的変化に関する研究については、平成23年度入学の学生を対象に4月にEIとPESの継続調査をしている。本研究が修了しても卒業まで継続した上で、経年的変化を分析する。 2) CEISEプログラムの開発:6年間継続的プログラムの組立: 情動能力が高まるような6年一貫のCEISEプログラムをまとめる。11月1-3日の第40回MEDC医学教育セミナー&ワークショップにて、「情動・共感を涵養する継続的教育プログラムの開発と評価」に関するワークショップを企画し、全国に向けて本プログラムを公開し、批判を受ける。 3)シナリオ開発:SPの感情表現のあるシナリオ作成(5~10個)し、上級SP及び俳優に演技の依頼をして、教材用DVDを作成する。シナリオは剖検依頼、待たされて怒る患者、不安が強くて質問を連発する患者など)DVDを活用した教育プログラムを検討する。4)SP養成:東海SPネットワークによるSPの質の向上及び活用の共有化のための勉強会&交流会は引き続き半年に1回の頻度で継続実施する。次回は8月6日、岐阜大学のSP養成者が担当で準備をしている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
国内外の学会への参加旅費及び宿泊費 30万円 SP及び俳優への謝金 20万円 DVD教材作成費 40万円
|