研究課題/領域番号 |
23590609
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
後藤 英司 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30153753)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 医学教育 / コミュニケーション |
研究概要 |
医学部におけるコミュニケーション教育は多様なカリキュラムにより実施されている。しかし、どのような学習方略や評価(効果測定)が適切かは必ずしも明らかではない。そこで23年度は、学習目標に応じた学習方略や評価法等のモデルを探るために、全国の医学部・医科大学のコミュニケーション教育の実施状況に関する調査(資料調査と聞き取り調査)を行った。 この結果、コミュニケーション教育の学習目標を下記a-gのカテゴリーに分類することができた。a.患者(家族を含む)-医師関係、b.医師集団におけるコミュニケーション、c.職種間連携、d.医療現場に限定しないチームワーク、e.患者に限定しない対人関係、f.地域における人的交流、g.医学・医療に関するサイエンスコミュニケーター育成。 次いで、文部科学省がコミュニケーション教育のモデルプログラム(GP)として採択した145の取組を再抽出して、その資料(成果報告書類、ウェブ情報等)を収集し、学習目標カテゴリーごとにどのような学習方略や評価法が採用されたかに焦点を絞ってプロトタイプデータベースを構築した。 データベースを分析した結果、学習目標の類型毎のプログラム実施率、目標毎に採用されている方略、実施学年、評価方法の傾向などが明らかとなった。また、資料から作成したデータベースの内容を確認し、資料から得ることが難しいコミュニケーション教育の実態を把握するために、聞き取り調査票を作成し、3大学を対象に聞き取り調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目標は、医学部における多様なコミュニケーション教育を学習目標や方略や評価方法の観点から類型化し、各取組のメリット・デメリット、促進因子、阻害因子を明らかにすることである。 初年度にあたる23年度においては、妥当性の高い類型化に向けた基盤データの構築と、それに基づく聞き取り調査票の作成という当初目標を達成することができた。 また、3大学を対象とした聞き取り調査の実施により、今後の聞き取り調査で用いる調査票のブラッシュアップを行うことができた。 研究実施計画では、聞き取り調査に関して、当初7大学を予定していた。しかし、資料調査によるコミュニケーション教育カリキュラムの類型化、および、データの表頭項目の選定・削除・修正、複数人による確認作業など、データベースの構築を優先したため、聞き取り調査の実施は3大学となった。 今後の聞き取り調査の円滑な遂行という観点に立てば、データベース構築と調査票作成に十分な時間を配分した意義は大きいと考えられ、本研究は「研究目的」の達成に向けて概ね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、23年度に聞き取り調査を実施した3大学以外の全国10~20大学の聞き取り調査を実施する。この聞き取り調査により、資料から得ることができなかった具体的な情報を入手し、医学部におけるコミュニケーション教育カリキュラムの類型化データベースの確度の向上をめざす。 また、新規の聞き取り調査から、優れたコミュニケーション教育の実践に繋がる外因(設置者の違い、実施体制、事務局の支援体制など)の検討、モデルとされるコミュニケーション教育のカリキュラムの探索、データベースの精緻化、学習目標による類型毎にコミュニケーション教育の促進因子、阻害因子に関する分析を進める。 加えて、本研究の成果を広く公表するために、第44回日本医学教育学会においてこれまでの研究成果を発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度は、23年度に作成したデータベースの欠損部分を補完するために、コミュニケーション教育プログラムを実施している全国の医学部への聞き取り調査を進める。 このため、研究費の主たる使途は調査担当者の旅費および聞き取り対象者への謝金となる。 また、聞き取り調査を効率よく実施するために、連携研究者に加えて研究協力者1名を聞き取り調査に参加させる。これに人件費が必要となる。さらに、聞き取り調査のテープ起こしにも使用する。 これに加えて、本申請内容の学会発表(第44回日本医学教育学会)の旅費および参加費にも充てる予定である。
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