研究概要 |
1.ポートフォリオ評価:電子ポートフォリオシステムを用いて、経年的に蓄積しているポートフォリオから、各学生の自己評価能力の経年的な変化について観察をおこなった。学生の目標設定能力,自己評価能力,将来像を見据える能力を1~4年次に提出したポートフォリオにおいて評価した.目標設定能力の評価(平均点)は学年が上がるにつれて上昇し,4年次では70%の学生がレベル3に到達していた.自己評価能力に関しても同様で,75%の学生が4年次にはレベル3に到達しており,何についてどのように実施できたか,あるいはどの程度理解できたかが明確になっており,今後の具体的な目標へとつながっていた.将来像を見つめる能力も同様であった。医療人として必要な自己評価能力を70%以上の学生が到達したと考えられた。 2.電子ポートフォリオの記載内容に対して,質的研究のグラウンデドセオリーを用いて、データからプロパティ、ディメンジョン、カテゴリーを抽出し,学部連携(チーム医療)教育後に得られた学生の反応についてカテゴリー関連図を作成した。その結果「患者情報の共有」「専門的な知識をわかりやすく説明」するコミュニケーションと「患者の問題点の抽出」「治療ケアプランの作成」などチームでの協働が重要である事がわかった。 3.学部連携教育終了時の5件式のアンケート結果を因子分析し,初年次から5年次までの因子構造を比較検討した.初年次ではグループ学習、能動学習への順応が主であったが、そこで身につけた能力をチーム医療で徐々に発揮できるようになっていることが推察された。 4.グループダイナミクスの評価方法:1年、3年、4年生のPBL授業の様子をビデオ撮影した。言語と非言語コミュニケーションをトランスクライブ(文字化)し、ホワイトボードに書かれたプロブレムマップとの関連を検討し、グループダイナミクスの評価案を作成した。
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