研究実績の概要 |
現在、病院勤務医の過重労働が深刻化し、抜本的な勤務環境の見直しが望まれている。しかし、医師の業務は専門的で複雑であり、正確な業務内容の評価が困難とされていた。そこで、産業保健の専門職による、病院勤務医のタイムスタディを行うことにより、病院勤務医の勤務実態を明確にする。その結果を基に診療・研究・教育・キャリアアップ等専門職としての業務内容を分類整理し、国内各病院における勤務環境整備が可能となるよう医師の勤務実態分析指標(アクションチェックリスト)の開発を行なうことを本研究の目的とした。
平成23年度に病院の医局長に対するインタビュー調査を行い(42名医局長インタビューからみえた勤務環境改善視点,医学のあゆみ;242(8):367-630,2012)、その後平成23年度後半から平成24年度に20名の勤務医に対するタイムスタディを実施した。 平成25年度はタイムスタディの結果をまとめ論文を作成し、平成26年3月に投稿し、26年度に掲載(Hospital physicians perform five types of work duties in Japan: An observational study Nohara et al. BMC Health Services Research 2014, 14:375)された。さらにタイムスタディの結果に基づいて、病院で働く医師が行うべき業務の内容や、そのバランスを改善するために「医師の業務バランスアクションチェックリスト」を作成した。 平成26年度は本チェックリストを用いて勤務環境改善のモデル事業を行った。取組内容については厚生労働省『いきいき働く医療機関サポートWeb』に掲載予定である。
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