研究課題/領域番号 |
23590626
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
山本 勝 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (80024313)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地域包括ケアシステム / 連携・協働システム / 持続可能性 / 地域特性 / 少子高齢社会 / アンケート調査 / 介護サービス / 評価システム |
研究概要 |
平成23年度においては、とくに以下の3点:1)地域包括ケアシステム構築における地域特性の配慮と持続可能な「連携・協働システム」のあるべき姿と推進理念・方針・戦略・システム化課題に関する考察、2)住民・高齢者を主体とした地域関係者間における「ヒューマン・ネットワークづくり」の推進方策と人材育成・活用システムの構築に関する基礎的調査、3)「連携・協働システム」促進における関連情報の共有化とICTの有効活用方法の検討、について基礎的研究を中心に調査研究を実施した。 とくに、これからの少子高齢社会での地域包括ケアシステム構築において、地域での具体的な問題点及びシステム化課題を明らかにするために、また同時に、地域における「連携・協働システム」推進の障害・問題点を総合的に調査分析するために、今回の研究課題におけるモデル地域の一つである「豊田市」内の特徴あるいくつかの地域をモデル対象地域として選定し、豊田市内において医療活動を行っているおよそ250名の医師を対象に、(社)豊田加茂医師会との共同研究により、アンケート実態調査を実施した(なお、アンケート有効回収率:47%)。 また同時に、地域介護活動の拠点として活躍している豊田市内の19の地域包括支援センターを対象に、豊田市からの協力によりアンケート及びヒアリング調査を実施した。 また、全国の地域包括ケアシステムに関する先進的な医師会あるいは地域における地域包括ケアシステムの実践例について、(社)日本医師会、(社)宮城県医師会、(社)愛知県医師会、(社)豊田加茂医師会、等を調査訪問及びヒアリング調査分析を行った。 なお、これらの調査分析成果の一部は、日本経営診断学会において論文投稿及び研究会報告を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「おおむね順調に進展している」主な要因としては、これまでに地域関係者、医師会関係者及び行政関係者との協働・協力体制づくり並びに信頼関係づくりが、順調に推進されてきたことを挙げることが出来よう。とくに、医療従事者(医師)を対象とした意識実態調査の実施においても、医師会からの積極的な提案・参画・支援により円滑にかつ有効に実施することができた。また、地域包括支援センターの活動実績に関する実態調査分析においても、全面的な協力支援と貴重な資料提供を得ることが出来たといえよう。 また、我が国は、少子高齢社会のなかで厳しい社会環境・生活環境を迎えている。このため、多くの国民(地域住民)が、本研究課題である「地域包括ケアシステムの構築」に高い関心と強い期待を持っており、本研究を推進していく上で、積極的な住民理解と協力を得ることが出来ているのも、本研究がおおむね順調に進展している理由の一つでもあろう。
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今後の研究の推進方策 |
そこで、平成23年度における地域包括ケアシステムに関する実態調査分析結果並びに基本的考察結果をもとに、次年度(平成24年度)においては、具体的な地域包括ケアシステムの構築に向けてシステム開発・提案を行っていく計画である。とくに、次年度においては、いくつかの地域特性別の「地域包括ケアシステムの構築」及びそれを実現するための「連携・協働システム」の詳細設計を開発し、モデル実験を実施するすることにより、本システムの評価点検を行う計画である。例えば、豊田市に7年前に市町村合併した「足助地域」をモデル地域として、「中山間地域における地域包括ケアシステムの構築ー足助地域中核病院を総合拠点とした保健・医療・介護サービスの総合展開をめざして」のモデル事業等を推進していく計画である。 また同様にして、いくつかの地域特性とユニークな包括ケア資源を有する地域を、「モデル地域」として選定し、ユニークなモデル事業を展開していく計画である。 なお、上記のモデル実験結果をまとめて、国内外の関連学会誌及び研究会において報告していく計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究経費の使用計画としては、とくに、モデル事業実施(企画・実行・運営・情報収集・評価)に必要な謝金・備品・消耗品・印刷費、等があげられる。また、関連情報の収集及び研究成果報告のための旅費が必要となってくるであろう。
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