研究課題/領域番号 |
23590641
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長谷川 寛雄 長崎大学, 大学病院, 講師 (00398166)
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研究分担者 |
岩尾 正倫 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00100892)
上平 憲 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 名誉教授 (80108290)
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キーワード | 抗ウィルス薬 / 分子標的治療薬 / 成人T細胞白血病 / 新規抗がん剤 |
研究概要 |
ラメラリンα20は、我々らが発見したインテグラーゼ阻害活性を持つ海洋由来天然物であり、我々はこの天然化合物をはじめて化学合成することに成功した。また、ラメラリンα20の誘導体が、末梢血単核球細胞(PBMC)や代表的T細胞白血病細胞にはほとんど影響を与えないものの、HTLV-1関連白血病細胞株に対し明らかな増殖抑制を引き起こすことを発見した。 これらの発見から、ラメラリンα20誘導体のHTLV-1感染細胞株に対する増殖抑制作用やターゲットとなっている遺伝子解析を進めている。平成24年度の目標は(a) ラメラリンα20 誘導体によるインテグラーゼ阻害効果をあきらかにすること、(b) ラメラリンα20 誘導体による抗がん作用の作用機序をあきらかにすることにあった。 ラメラリンα20誘導体によるHTLV-1関連白血病細胞に対する増殖抑制を細胞周期解析、アポトーシスなどの視点で評価する工程はほぼ終了した。シグナル伝達解析は抗がん作用のメカニズムを解析するためにも重要なステップであり、マイクロアレイ法による変動遺伝子の解析は重要なデータとなる。この工程もほぼ終了し、いくつかの標的遺伝子の候補の発現変化について評価をおこなった。しかし、確定的な結果は現在までに得られていない。今後は標的遺伝子の候補をもう少し広げ、検討を重ねる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラメラリンα20誘導体のHTLV-1感染細胞株に対する増殖抑制作用がどのような遺伝子発現や転写因子の変動の結果起こるのかを把握するステップは、抗がん作用のメカニズムを解析するためにも重要である。これまでにマイクロアレイ法による変動遺伝子の解析によって重要(と思われる)な遺伝子変動を捉えることができたものの、それだけでは説明のつかない傾向がある。そのため変動遺伝子の候補をもう少し広げて再検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイ法による変動遺伝子の解析によって重要(と思われる)な遺伝子候補を発見した。しかしこれらの候補だけでは説明のつかない細胞死を示す傾向があり、確定的なことはいえない状況である。今後は、候補遺伝子の間口をもう少し広げると同時に、標的分子の機能がインテグラーゼ阻害や抗がん作用に真に寄与しているかを確認する作業を行っていく。siRNAの手法を用いて標的分子のノックダウンをおこない、細胞増殖抑制能の変化、細胞増殖に関わる遺伝子や癌抑制遺伝子の変化などを評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の経過より、siRNA関連試薬、PCR関連試薬、トランスフェクション試薬などの試薬購入を行う予定である。
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