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2013 年度 実績報告書

アジア人、白人、黒人患者のための遺伝子情報に基づく抗凝固薬導入アルゴリズムの作成

研究課題

研究課題/領域番号 23590652
研究機関明治薬科大学

研究代表者

高橋 晴美  明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20211344)

研究分担者 塩見 真理  明治薬科大学, 薬学部, 助手 (30300768)
キーワードワルファリン / CYP2C9*3 / CYP2C9*8 / VKORC1*2 / 人種差
研究概要

【背景・目的】異なる人種においても適応可能なワルファリン(WF)導入治療アルゴリズムを作成する目的で、体内動態(PK)と薬物応答性(PD)に関する遺伝子情報を基にアジア人(台湾系中国人)に加えて、黒人と白人患者を対象として検討した。WFの抗凝固効果の主体であるS-WFのCLpo(CL)は主代謝酵素CYP2C9の遺伝子変異の影響を受けるが、CLの低下に関与するCYP2C9遺伝子変異の出現頻度は3人種間で大きく異なる。しかし、アジア人、白人、黒人患者の体内動態(PK)について人種間の比較検討がなされていない。そこでH25年度は3人種におけるPKについてCLを推定し人種間での比較、及びCLの変動要因を探索した。
【方法】NONMEMを用いて母集団解析を行いCLを推定した。①黒人(60名)・白人(122名)と中国人(196名)の患者背景因子を確認した。②PKモデルは一次吸収過程のある1-コンパートメントモデル、誤差モデルは個体間変動は対数誤差モデル、個体内変動は絶対誤差モデルを選択しBase modelとした。③患者背景因子の内部相関を検討し、CLに有意に影響する患者背景因子を組み込み、Final modelを構築した。
【結果・成果】①構築したPKモデルのCLは黒人では中国人・白人より約30%有意に低かった。これは黒人の維持量が中国人より高い事実とは逆方向であった事から、黒人維持量の人種差にはPKの人種差(低CL)とは逆方向に働くPDの人種差(低感受性)が関与している可能性が示唆された。②CLの有意な変動要因に関してはCYP2C9*8・CYP2C9*3・CYP2C9*2・性別(女性)・年齢の順で影響が大きかった。人種が変動要因として検出されなかったことからCLの人種差は、単に“人種”でなくCYP2C9遺伝子変異の出現頻度の人種差等で説明できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic variants associated with warfarin dose in African-American individuals: a genome-wide association study2013

    • 著者名/発表者名
      Perera MA, Cavallari LH, Limdi NA, Gamazon ER, Konkashbaev A, Daneshjou R, Pluzhnikov A, Crawford DC, Wang J, Liu N, Tatonetti N, Bourgeois S, Takahashi H, et al.
    • 雑誌名

      Lancet

      巻: 382 ページ: 790-796

    • DOI

      10.1016/S0140-6736(13)60681-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CYP2C9 promoter region SNPs linked to the R150H polymorphism are functional suggesting their role in CYP2C9*8-mediated effects.2013

    • 著者名/発表者名
      Larisa H. Cavallari, David Vaynshteyn, Kimberly M. Freeman, Danxin Wang, Minoli A. Perera, Harumi Takahashi, Katarzyna Drozda, Shitalben R. Patel, Hyun-Young Jeong.
    • 雑誌名

      Pharmacogent. Genomics.

      巻: 23 ページ: 228-231

    • DOI

      10.1097/FPC.0b013e32835e95c7

    • 査読あり
  • [学会発表] 人工膝関節置換術施行患者における抗凝固薬フォンダパリヌクスの体内動態と臨床効果の個体差発現要因の検討2013

    • 著者名/発表者名
      花田和彦、松尾拓磨、吉沢寛朗、岩圭亮、苫野将大、高橋晴美、柴田壮一、厚田幸一郎、月村泰規
    • 学会等名
      第34回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131204-20131206
  • [学会発表] 人工膝関節置換術施行患者における抗凝固薬エノキサパリンの体内動態と臨床効果の個体差発現要因の検討2013

    • 著者名/発表者名
      柴田壮一、花田和彦、松尾拓磨、吉沢寛朗、高瀬友里、苫野将大、高橋晴美、厚田幸一郎、月村泰規
    • 学会等名
      第34回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131204-20131206
  • [図書] 2ページで理解する標準薬物治療ファイル2013

    • 著者名/発表者名
      高橋晴美
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      南山堂
  • [備考] 明治薬科大学、薬剤学教室ホームページ

    • URL

      http://www.my-pharm.ac.jp/̃yakuzai/wordpress/

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公開日: 2015-05-28  

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