研究概要 |
今年度は、HTGL活性と脂肪肝患者の肝生検の線維化程度との関係を検討した。 対象はa)アルゼンチン人の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を疑われた42名。 対象症例は男性/女性=14名/28名, (年齢50.1±10.3歳,BMI34.3±6.4kg/m2, 総コレステロール 209±40 mg/dl, トリグリセリド 182±80 mg/dl, HDL-コレステロール 42±8.2 mg/dl, 血糖値115±37 mg/dl)。この中で、男性については症例数が少なく今回は女性のみの解析結果を示す。肝生検を施行し、Steatosis gradeを 1.mild(n=5) 2. moderate(n=10) 3. severe(n=10)の3段階に分類し、ヘパリン静注後(PHP)HTGL活性との関係を調べた。各群における代謝指標の平均値±標準偏差と一元配置分析の結果は、それぞれ、年齢 54.8±10.6歳, 52.8±5.1歳, 43.8±11.1歳(P=0.037); BMI 32.1±3.8kg/m2, 37.5 ±9.5 kg/m2, 35.2± 5.7kg/m2 (ns); 腹囲104±12 cm, 109±12cm, 106±8.7cm (ns); AST 42±33 IU/L, 35±22 IU/L, 41±16 IU/L (ns); ALT 48±24 IU/L, 48±37 IU/L, 58±46 IU/L (ns); HTGL活性124±38U, 165±58U, 163±41U(ns)であった。この結果からSteatosis gradeによるHTGL活性は有意な差がないことが示された。またBruntらの提唱したNAFLD Activity ScoreとHTGL活性との相関性はr=0.22, p=0.35(n=17)と有意相関はみられなかった。
|