研究課題
昨年報告の”今後の推進方策”で述べたように今年度は、肝性リパーゼ(HTGL)量測定系を確立し、その量と肝酵素の動向との関係を検討し、HTGL活性を用いる場合より優れる可能性を調べた。方法:ヒトHTGLはChinese Hamster Ovary(CHO)細胞にHTGLを発現させ、その培養液からFLAG-epitope tag systemを用いて精製したHTGL蛋白を用いてBALB/c miceを免疫し、得られた2種類の抗ヒトHTGLモノクローナル抗体(8A4、3B1)を用いてHTGLの蛋白量測定ELISA系を確立した。HTGL測定検体は、米国人ボランティア144名にヘパリ(50IU/kg)静注後15分後に採血して得られた血漿を用いた。 結果:HTGL蛋白量はHTGL活性と良好な相関を有した(r=0.847 p<0.01)。一般に脂肪肝やNASHで増加がみらえるALTとの相関を調べたところ、HTGL活性、HTGL蛋白量はそれぞれr=0.185 p<0.05; r=0.285 p<0.01とHTGL蛋白量の方が相関性において優れていた。一方ASTとの相関はそれぞれr=0.028 ns; r=-0.014 ns。 γGTPとの相関はそれぞれr=0.174 p<0.05; r=0.203 p<0.05であった。結論:抗ヒトHTGLモノクローナル抗体を用いたヘパリン静注後血漿中のHTGL蛋白量のELISA測定系を確立した。脂肪肝やNASHとの動態を反映できる代謝マーカーである可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (9件)
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