• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

胃粘膜の表現型を示す腺癌(胃型腺癌)とその前癌病変の臨床病理学的診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23590664
研究機関信州大学

研究代表者

太田 浩良  信州大学, 医学部, 教授 (50273107)

研究分担者 奥村 伸生  信州大学, 医学部, 教授 (60252110)
本田 孝行  信州大学, 医学部, 教授 (80238815)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードmucin / TFF
研究概要

1.胃型肺腺癌の病理組織像・臨床像の解析抗胃腺粘液細胞ムチン抗体HIK1083を用いた免疫染色により、HIK1083陽性の胃粘液細胞の表現型を示す胃型肺癌症例を収集し、病理組織像の特徴とEGFR変異およびK-Ras変異の有無を検討した。胃型肺腺癌において、HIK1083陽性の胃腺粘液細胞型の腺癌細胞の割合は様々であった。胃型腺癌組織におけるHIK1083陰性の癌細胞はその細胞形態およびMUC5AC陽性所見から、胃の表層粘液細胞型の腺癌細胞である可能性が示された。また、胃型肺腺癌には種々の割合にMUC2陽性の腸杯細胞型の腺癌細胞が混在していた。胃型肺腺癌の組織型としては、従来報告されていた気管支肺胞上皮型に加え、乳頭状型や腺房型を示すものがあることが明らかにされた。これらの胃型肺腺癌はいずれもTTF1陰性であり、EGFR変異は認められず、高頻度にK-Ras変異が認められた。2.分泌液中のTFFの定量のためのELISA系を確立した。3.胃ムチンを発現する腺癌の症例報告 眼瞼のアポクリン汗腺であるMoll腺は胃腺粘液細胞ムチンのコア蛋白であるMUC6陽性であるがHIK1083反応性糖鎖が陰性であり、他のアポクリン汗腺およびエクリン汗腺はいずれも陰性であることを見いだした。この基礎的検討を基に、従来、眼瞼発生の印環細胞癌として報告されてきた腺癌がMoll腺類似のムチンを発現していることを明らかにし、その症例報告を行った(American Journal of Dermatopathology, in press)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.胃型肺癌の症例収集が順調に進んでおり、そのEGFR変異およびK-Ras変異の解析が順調に進んでいる。2.分泌液中のTFFの定量のためのELISA系を確立した。3.眼瞼原発の印環細胞癌とされている腺癌組織におけるMUC6を明らかにし、正常汗腺組織の免疫組織化学的検討による表現型解析との比較によりそのMoll腺起源を示した。

今後の研究の推進方策

1.胃型肺癌の症例収集を更に進め、胃型肺癌における胃腸上皮に発現している転写因子やTFFの発現様式を検討して、胃型肺腺癌のより有用な病理組織診断マーカーを探索する。2.胃型病変(胃型肺腺癌、膵臓IPNMおよびPanIN、子宮頸部LEGHおよび悪性腺腫)におけるTFFの発現様式と胃型病変由来の分泌物中のTFF測定の診断マーカーとしての有用性を検討する。

次年度の研究費の使用計画

直接経費の請求額1,300,000 円は物品費1,100,000円[胃型肺癌の遺伝子解析関連(kRas及びEGFR変異解析)400,000円、胃型病変の病理・組織化学的解析関連450,000円、胃型病変の分泌部TFF測定関連250,000円)]、国内旅費50,000円、人件費・謝金0円、その他0円、研究分担者への配分150,000円(奥村伸生100,000円、本田孝行50,000)を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 眼瞼Hstiocytoid carcinoma/signet ring cell carcinomaの一症2011

    • 著者名/発表者名
      岩谷舞、佐野健司、太田浩良
    • 学会等名
      第100回日本病理学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011年4月28日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi