膵癌の前癌病変とされる膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を免疫組織化学的表現型に基づいて分類し、その臨床的・病理組織学的特徴を解析した。特に、胃型と腸型のIPMNの比較を中心に解析を行った。33症例のIPMN手術切除材料を対象として、消化管上皮に発現するマーカーの免疫染色を行った。IPMNは胃型 (n=17)、腸型 (n=8)、胃腸混合型 (衝突型=7, 混成型=1)に亜分類された。胃型IPMNは胃幽門粘膜上皮の形質を呈し、一方、腸型IPMNは近位小腸(十二指腸)上皮の形質を呈しており、両者は組織発生が異なると考えられた。
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