研究課題/領域番号 |
23590675
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
久冨 信之 香川大学, 医学部, 准教授 (20552045)
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研究分担者 |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
飯田 秀博 独立行政法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (30322720)
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キーワード | 脳酸素代謝量 / 脳血流 / 脳血液量 / PET / 迅速検査法 / 酸素摂取率 |
研究概要 |
脳血流(CBF)、酸素摂取率(OEF)、酸素代謝量(CMRO2)および脳血液量(CBV)定量画像は脳虚血など脳血管病変に対し、治療方針を決定する上で重要な診断情報である。これらCBF、OEFおよびCMRO2定量画像は、標識水および標識酸素の連続投与による10分程度の迅速検査法により得ることができる。他方、本迅速検査法は標識一酸化炭素投与による脳血液量(CBV)撮像検査を省略することを想定しており、CBV画像が得られなかったため、迅速検査法撮像によるデータからCBVを推定する方法を開発した。開発した方法の有効性を確認するため、ECAT HR+による撮像検査により病変の見られなかった43名(病変無)、片側性の血管閉塞・狭窄によりCBV上昇のあった28名(病変有)を対象とした検討をおこなった。迅速検査法撮像によるデータからのCBV計算において、入力関数の脳組織到達時刻(ATB)に敏感であるためこのATBを推定する方法を開発した。ATB推定においては、複数の計算法によるCBF計算値の差を利用した。推定したATBに基づき、時系列データの時間補正を収集データ画素ごとに行い、CBV画像を得た。ATBの推定値は関心領域ごとに非線形最適化法による解析法と比較し有効性を確認した。これに基づき得られたCBV画像(VBD)を、標識一酸化炭素撮像によるCBV画像(VBC)と比較し有効性を確認した。ATBの推定値は両解析法で有意差がないことを確認した。CBV値は病変無でVBC = 0.038 ± 0.014およびVBD = 0.039 ± 0.023 (NS)であった。病変有でVBC = 0.030±0.01およびVBD = 0.028±0.014 (NS)であった。回帰分析によりr=0.90 (病変無)、r=0.91 (病変有)と強い相関が見られた。CBV画像はVBCとVBDで類似が見られた。これらの結果から、本方法により迅速脳酸素代謝量検査においてCBF、OEF、CMRO2 に加えてCBVが得られることが示唆された。
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