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2012 年度 実施状況報告書

レジスチンによる免疫機構の変化を介した糖尿病発症メカニズムの解明と発症予知

研究課題

研究課題/領域番号 23590676
研究機関愛媛大学

研究代表者

高田 康徳  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20432792)

研究分担者 大澤 春彦  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90294800)
大沼 裕  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294794)
西田 亙  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80271089)
川村 良一  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (90533092)
キーワードレジスチン
研究概要

ボランティア24症例のうち、血中レジスチンレベルが高い群12例をExperimental (case)とし、低い群12例をBaseline (control)とし、末梢血からmiRNAを抽出し、miRNA array を施行した。さらに昨年度施行したAffymetrix Gene Chip Human U-133 Plus 2 Arrayから得られたデータと統合することで、変化を認めたmiRNAが実際にそのtarget 遺伝子の発現に影響を与えているか、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析を行った。さらに、パスウエイ解析を行い、単一遺伝子の変動だけではなく、これらに影響を受ける遺伝子群として解析した。その結果、複数の免疫、炎症に関連する遺伝子が、血中レジスチン値と関連性がある可能性が高いことを発見した。更に、28名のヒト単球RNAを用いたqRTPCRにても確認した。興味深いことに、この内の2個の遺伝子は既に、糖尿病発症との関連が報告されている遺伝子であった。また、これらの遺伝子群の発現量と血中レジスチン値が相関することを見出した。
次に、血中レジスチンレベルがこれらの遺伝子の発現と関係するメカニズムを明らかにするために、レンチウイルスを用いて、レジスチン過剰発現THP-1細胞を作成しin vitro の系を作成した。このレジスチン過剰発現細胞では、コントロールに比較し、レジスチンmRNAレベルは約8000倍に増加していた。この細胞を用いて、qRTPCRやフローサイトメトリーによる解析を行った。その結果、炎症性マクロファージであるM1マクロファージのマーカーの高値を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標数以上のサンプルを収集し、DNA array、miRNA arrayを施行、さらに統計解析、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析、パスウエイ解析を行うことにより、レジスチンにより影響を受ける候補遺伝子の絞り込みを行うことができた。また、分子メカニズムを明らかにするために、レンチウイルスを用いて、レジスチンの過剰発現THP-1細胞を作成し、臨床サンプルだけではなく、in vitro の系での解明が行える状況になった。

今後の研究の推進方策

24年度に作成したレジスチンの過剰発現THP-1細胞により、vitro だけではなく、in vitro の系での解明が行える状況になった。これらの細胞あるいは、培養上清中の遺伝子、タンパクの解析を行う。
また、遺伝子発現については今回と同様に、DNA array qRT-PCRを行う。
DNA array, miRNA arrayの結果から予測される標的タンパクについては、プロテオ医学センターにて、質量分析装置を用いたタンパク質定量を行う。この絶対定量プロテオミクスの解析基盤となる内部標準安定同位体標識タンパク質は、世界に先駆けて当大学が開発した無細胞タンパク質合成系によりゲノムワイドに合成し、プロテオーム解析に直接使用することができる。
24年度の研究結果から、レジスチンはマクロファージとT cell とのinteractionに関係する可能性がでてきた。そこで、レジスチン過剰発現THP-1細胞(monocyte/macrophage)とT cell をtwo chamber を用いて共培養し、T cellにおける影響を、FACS、DNA array、 miRNA array、qRT-PCRなどで解析する。
更に、これらの遺伝子が、実際に糖尿病と関係するか、case control study を行う。

次年度の研究費の使用計画

25年度においても24年度と同様に、ヒト末梢血からの単球の単離、RNA精製、RT-PCR、DNA array、array、関連が推測される因子のタンパクレベルでの検討を行うために、ELISAキット、あるいはFACSの抗体キット購入費用が必要である。また、array結果の統計解析、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析、パスウエイ解析を行う
ための解析費用が必要である。
また、最終年度であり、データをまとめ、国内外の学会での発表、投稿費用などが必要となる。

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公開日: 2014-07-24  

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