研究課題/領域番号 |
23590676
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高田 康徳 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432792)
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研究分担者 |
大沼 裕 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294794)
大澤 春彦 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90294800)
川村 良一 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (90533092)
西田 亙 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80271089)
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キーワード | レジスチン / マクロファージ / M1/M2 / Th1 |
研究概要 |
糖尿病の既往の無いボランティア29症例のうち、血中レジスチンレベルが高い群13例をcase 、低い群16例をcontrolとした。これらからCD14 抗体を用いたMACS system により単球を単離し、total RNAを抽出した。これを用いてHuman DNA Arrayを施行し、さらに、パスウエイ解析を行い、単一遺伝子の変動だけではなく、これらで影響を受ける遺伝子群を解析した。更に、これらの遺伝子群の発現量を先の29症例とは別の、70名の単球total RNAを用いたQRTPCR で確認した。その結果、血中レジスチンにて影響を受ける遺伝子を複数明らかにした。また、これらの遺伝子群のmRNA レベルと血中レジスチン値の相関関係についても確認した。興味深いことに、この内の3個の遺伝子は既に、1型糖尿病発症との関連が報告されている遺伝子であった。さらに、複数の糖尿病、インスリン抵抗性や動脈硬化に関連が強い因子とレジスチンの関連を認めた。そこで、先とは別の集団250 名にて、ELISA 法を用いて、これらの因子の血中タンパクレベルを測定し、これらのタンパク群の血中レベルと血中レジスチン値の相関関係を確認した。 次に、血中レジスチンレベルがこれらの遺伝子の発現と関係するメカニズムを明らかにするために、ヒト末梢血単球、レジスチン過剰発現THP-1細胞の遺伝子発現解析を行った。血中レジスチンが高い群の単球、およびレジスチン過剰発現細胞では、M2マクロファージの表面マーカー、及び、血中M2マクロファージ関連サイトカインの低下を認め、M1/M2 比の増加を認めた。更に、糖尿病やインスリン抵抗性への関与が証明されている炎症性マクロファージであるM1マクロファージから分泌されるCC 及び CXC chemokine ligand 2種の高値を遺伝子および血中タンパクレベルで認めた。これらのタンパクによる、Th1 の活性化による免疫応答は、糖尿病やインスリン抵抗性、全身の炎症を惹起していると結論づけた。
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