研究課題/領域番号 |
23590684
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
家子 正裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50250436)
|
研究分担者 |
高橋 伸彦 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20372279)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 血栓症 / 抗リン脂質抗体 / ループスアンチコアグラント |
研究概要 |
本研究の目的の一つは、ループスアンチコアグラント(LA)の診断方法を確立することである。そのために、(1)サンプル調整法、(2)試薬の選択(コントロール血漿も含む)、(3)測定手順、(4)判定方法について検討する。平成23年度は、(1)サンプル調整、(2)試薬の選択、について検討した。(1)サンプル調整法:患者さんより得た静脈血を1500 x g, 15分間遠心分離処理し上清をバフィーコートよりも5 mm上まで採取した血漿(1回遠心処理血漿)は、LAのスクリーニング検査(PTT-LAによるAPTT)で二重遠心処理血漿および0.2 mmフィルター処理血漿とLA陽性率等において同等であった。一方、LA確認試験(Staclot LAおよびLA test Gradipore)ではフィルター処理血漿、二重遠心処理血漿が陽性率は若干高かったが、大きな差異は認めなかった。国際血栓止血学会(ISTH)では二重遠心処理を推奨しているが、充分に遠心分離処理すれば1回遠心処理血漿でも充分であると考えられた。(2)試薬の選択:APTTスクリーニングにおいて、ISTHではシリカ活性化剤のAPTT試薬を薦めているが、我々が作成したエラグ酸を活性化剤とするAPTT試薬はシリカによる試薬よりもLA感度は良好であった。LA感受性は、活性化剤ではなく配合されているリン脂質の種類や濃度によって影響されるものと思われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公布申請書に記載した研究計画書にそって行なっているが、平成23年度の予定は充分に達成できた。サンプル調整方法によるループスアンチコアグラント(LA)の測定値の変動は、様々な学会で結果を報告しており、他施設でも検討されてきている。また、試薬の選択に関しては、国際血栓止血学会が推奨するシリカ活性化剤APTTのみならず、エラグ酸活性化剤APTTもLA感度が良好な試薬も有る旨を、現在論文作成し投稿中である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も、研究計画書に従い、平成24年度はLA測定用のサンプル調整の標準化と交差混合試験の方法の検討と有用性について研究する予定である。各種研究会等を通して、我々のサンプル調整方法を各施設で検討してもらう。また、交差混合試験の標準化は現在進行中であるが、混合比やそのポイント数などを報告できる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用は、LA試薬などの購入、サンプル輸送費、学会旅費に使用予定である。特にLA確定診断試薬は高価であり、経費の大部分はその購入費となる。
|