研究課題/領域番号 |
23590694
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
野村 昌作 関西医科大学, 医学部, 教授 (20218358)
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研究分担者 |
伊藤 量基 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70434826)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | EDMP / TNFα / CD144 / TF / L-selectin / Mac-1 / MAPK / PKC |
研究概要 |
培養血管内皮細胞(EC)を用いて、EDMPの構造解析を行った。炎症性サイトカイン(TNFα)と菌体外毒素(LPS)を用いてECを刺激し、EDMPの作成を行った。生成されたEDMPは8,000g×30minの遠心操作により培養液より分離した。EDMPの表面抗原解析は、内皮細胞膜糖蛋白関連抗原(CD31, CD51, CD54, CD62E, CD10, CD144, CD146)をPE標識抗体で染色し、FITC-Annexin VおよびFITC-TFとの2 color解析を行った。またEDMP表面におけるTFの発現をFCMで測定した。今回検出されたEDMPの特徴は、CD144の発現が強く、またTF陽性MPとの相関性が認められた。FCM上でのEDMPのサイズは0.5~2.0μと定義した。EDMP標的細胞の検討としては、単球系培養細胞のTHP-1を用いた。EDMPはTHP-1上のL-selectinとMac-1の発現を誘導した。これらのメカニズムを解明する目的でPKCおよびMAPKの検討を行った。PKCは、Western blottingとkinase activityの検出により、PKC isozymeを解析し、MAPKは、p42/p44 MAPK、p38 MAPK、およびJNKについてphosphorylationとtotal volumeについてimmunoblotting法で検出した。結果としては、EDMPはPKC・MAPKの系を活性化することにより接着分子であるL-selectinとMac-1の発現を誘導したと結論づけられた。以上より、EDMPは高サイトカイン血症下での血管障害を連鎖反応的に拡大する可能性が考えられた。今後、DICの初期マーカーとしての意義をさらに明確にする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FCMによるEDMPのサイズの定義化ができたことと、EDMPによる単球の接着分子発現のメカニズムを明確にすることができたので、本研究の最終目的であるDICの初期マーカーとしての意義を明確にできる可能性が強くなってきたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画が順調に進行しているので、このまま研究を進めていけると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
EDMPのDC免疫誘導に関する検討を計画している。健常人ヒト末梢血単核球よりミエロイド系CD11c+DCおよびリンパ球系pDCを単離し実験に用いる。また末梢血単球、血小板、ならびに血管内皮細胞株よりMPを抽出し、実験に供する。純化した2種類のヒトDC亜群と3種類のMPを組み合わせ、それぞれを培養する。刺激活性化物質として、ミエロイド系DCに対し、poly IC(TLR3 ligand)、LPS(TLR4 ligand)およびR848(TLR7/8 ligand)を、pDCに対しては、R848(TLR7/8 ligand)、CpG(TLR9 ligand)、および Sendai virusを使用する。各DC亜群の成熟活性化度合いをCD40, CD80, CD86, CD83, HLA-DRの発現を指標としフローサイトメーターで解析する。また細胞上清におけるサイトカインの量をELISA法にて測定する。サイトカインとしてはIFN-α,IL-12,IL-6, IL-10,TNF-αを選定し、ELISA関連試薬として計上した。
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