研究概要 |
EDMPのDC免疫誘導に関する検討を行った。健常人ヒト末梢血単核球よりミエロイド系CD11c+DCおよびリンパ球系pDCを単離し実験に用いた。また末梢血単球、血小板、ならびに血管内皮細胞株よりMPを抽出し、実験に供した。純化した2種類のヒトDC亜群と3種類のMPを組み合わせ、それぞれを培養し、刺激活性化物質として、ミエロイド系DCに対し、poly IC(TLR3 ligand)、LPS(TLR4 ligand)およびR848(TLR7/8 ligand)を、pDCに対しては、R848(TLR7/8 ligand)、CpG(TLR9 ligand)、および Sendai virusを使用した。各DC亜群の成熟活性化度合いをCD40 CD80, CD86, CD83, HLA-DRの発現を指標としフローサイトメーターで解析した。また細胞上清におけるサイトカインの量をELISA法にて測定した。 今回用いたEDMPは、組織因子と活性化プロテインCを発現した2種類のEDMPである。いずれのEDMPもDCの活性化マーカーの発現を増強させたが、2種類のEDMPの間で増強効果に有意な差は認められなかった。さらに、上清中に動因されてサイトカインとしてはIFN-α,IL-12,IL-6, IL-10,TNF-αの遊離が認められ、これらの変化は、それぞれのEDMPを組織因子および活性化プロテインCに対する抗体で前処理しても効果に変化は認められなかった。 以上の結果より、組織因子と活性化プロテインCを発現した2種類のEDMPは、いずれも組織因子および活性化プロテインC とは異なったEDMP上の分子に依存した形で、DCを活性化する能力を有している可能性が示唆された。今後は、DICの初期マーカーとしての意義をさらに明確にする予定である。
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