腎疾患の最終診断は、主に腎生検にゆだねられているが、腎生検は侵襲的な検査で、10個前後の糸球体形態から全体を予測する方法自体に限界も指摘されている。一方、尿検査は非侵襲的で、腎疾患の診断・予後判定上の有用性が考えられる。そこで尿沈渣中の細胞を免疫細胞学的あるいはmRNAの発現レベルにより検討した。その結果、尿沈渣中のCLDN1、CD68、NE陽性細胞数、尿沈渣中のAQP2で補正したCLDN1 mRNAレベル、CD68 mRNAレベルおよび尿沈渣中のAQP2で補正したM2 Mφ関連のmRNAレベルが、半月体形成など腎疾患の活動性と相関し、腎疾患の病状把握、治療薬の調整の際に有用であると思われた。
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