研究課題/領域番号 |
23590704
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
宮永 史子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (80378760)
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研究分担者 |
佐藤 哲子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 糖尿病研究部, 研究室長(臨床代謝栄養) (80373512)
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キーワード | 肥満 / メタボリックシンドローム / 遺伝子 / 糖尿病 / アディポサイトカイン / インスリン感受性 |
研究概要 |
一般住民コホートと肥満症コホート集団において症例対照前向き研究を行い、肥満症・メタボリック症候群(MetS)の減量効果・治療抵抗性を規定する候補遺伝子を同定する事により、個々の遺伝素因に応じた食事・運動・薬物療法の選択(オーダーメイド医療)の確立を目指すことを目的としている。1.申請者施設及び協力施設における肥満症コホート集団を対象に1880例の各評価項目に関するデータベースの構築を行った。2.肥満の遺伝素因(SNPs)の検索:(1)吹田コホート(1次スクリーニング):吹田市一般住民より無作為抽出の1880例を対象に、同意取得者のDNAにて、肥満関連候補遺伝子272遺伝子712SNPsをTaqMan法で網羅的に遺伝子型タイピングを実施した。男女別に5歳年齢階層別に分け、各層のBMIの第1四分位の和集合を症例群とし、SNPとの関連性の解析を行った。(2)肥満症コホート(2次スクリーニング):申請者施設における肥満症例(BMI≧25)178例と一般集団393例を対象に、統計的に有意な143遺伝子の217SNPsについて、タイピングを実施し比較した結果、5遺伝子55SNPsが抽出された。このうち、インスリン抵抗性やレプチン抵抗性への関与が示唆されるPTPN1遺伝子について、肥満症例において、肥満における減量治療反応性(体重低下度)との関連を検討している。PTPN1遺伝子SNPは各症例の過去に最大であったBMIとの関連が有意であり、肥満症例の減量治療3、6、12ヵ月後のBMIは、GG多型ではGT、TT多型より有意に低下していた。また、減量治療12カ月後のHbA1cはGG多型ではGT,TT多型より有意な低下を認めた。さらに、減量治療・治療抵抗性に関与する分子バイオマーカーと遺伝素因についても縦断解析を施行している。また、遺伝子のメチル化と肥満・減量治療効果との関連解析を施行している。
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