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2013 年度 実績報告書

骨盤臓器組織障害性疼痛におけるセロトニン受容体シグナル系の役割

研究課題

研究課題/領域番号 23590707
研究機関秋田大学

研究代表者

宮井 和政  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283933)

研究分担者 河谷 正仁  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00177700)
善積 克  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70553379)
キーワード上皮組織 / 内臓感覚 / 膀胱 / 食道 / 直腸 / ATP / セロトニン / 5-HT受容体
研究概要

管腔臓器上皮組織からの刺激に応じたATP分泌は内臓伸展感覚や内臓痛を伝える出発点である。本研究では、これまでにセロトニン(5-HT)受容体5-HT1Dおよび5-HT4からのシグナル系が下流のcAMPを介して膀胱上皮からの伸展刺激に応じたATP分泌を両方向性に制御していることを明らかにしてきた。平成25年度は、セロトニン受容体‐cAMPシグナル系と協調して働くことが予想される一酸化窒素(NO)-cGMPシグナル系が膀胱上皮からのATP分泌に果たす役割を精査した。NO前駆体やNOドナーはATP分泌を有意に抑制し、NO合成酵素阻害薬であるL-NAMEはATP分泌量を増加させた。また、NOの下流で産生されるcGMP量をPDE5阻害薬であるシルデナフィルで増加させたところ、ATP分泌量は濃度依存的に減少した。このことから、NO-cGMP系はcAMPとは逆に膀胱上皮からの伸展刺激に応じたATP分泌を抑制していることが明らかとなった。この結果については現在論文を準備中の段階である。
直腸上皮における研究に関しては、5-HT受容体サブタイプの発現パターンが膀胱上皮とは若干異なり、5-HT4のmRNAのみが豊富に発現していることを明らかにした。膀胱上皮では5-HT4受容体はATP分泌を促進する方向に作用していたが、直腸上皮では伸展刺激によるATP分泌を抑制する傾向が認められた。下流のcAMPの作用も含めて現在これら膀胱上皮とは逆の制御についての可能性を現在確認していることろである。
食道上皮における研究では、5-HT受容体のmRNAの発現が全く認められず、セロトニンによる制御は存在しないことが示唆された。しかしながら、環状ヌクレオチドやPGE2によるATP分泌制御系が存在するデータが得られており、現在研究を進めているところである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 膀胱知覚と脊髄の可塑性,最近の知見2013

    • 著者名/発表者名
      善積克、松本-宮井和政、林田健一郎、河谷正仁
    • 雑誌名

      排尿障害プラクティス

      巻: 21 ページ: 193-201

  • [学会発表] 一酸化窒素-cGMP経路による膀胱上皮からのATP分泌の抑制2013

    • 著者名/発表者名
      松本-宮井和政、善積克、河谷正仁
    • 学会等名
      第20回日本排尿機能学会
    • 発表場所
      静岡市、静岡
    • 年月日
      20130919-20130919
  • [図書] 痛みのScience & Practice シリーズ第2巻 :痛みの薬物治療2013

    • 著者名/発表者名
      松本-宮井和政、河谷正仁(編集:山本達郎)
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      文光堂

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公開日: 2015-05-28  

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