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2012 年度 実施状況報告書

アトピー性皮膚炎における痒みとその制御

研究課題

研究課題/領域番号 23590708
研究機関群馬大学

研究代表者

天野 博雄  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70302487)

キーワードアトピー性皮膚炎 / 痒み / ストレス
研究概要

平成24年度の研究に加えて、マウスの脾臓、リンパ節から単核球を分離し、抗CD3抗体あるいはCon Aを用いて刺激し、産生されるサイトカイン量をTh1、Th2の観点から比較検討した。まず、基礎実験としてSPFマウスと他の通常のマウス(Balb/c、C57/BL6)のサイトカイン動態を比較した。SPFマウスでは培養細胞中のIL-4が軽度上昇し、IL-10、IFN-γが減少していた。このことからSPFマウスにおいてはすでにサイトカイン抑制系が低下しており、ストレスの刺激によりさらにTh2にシフトし皮膚炎発症に繋がる可能性が示唆された。皮膚炎発症の際には掻破行動が生じるが、掻破行動には脳中オピオイドの関与が考えられる。サイトカインとオピオイドとの相互作用については今後の検討課題であるが、この相互作用を解明することは痒みの抑制に繋がるものを考える。また、フローサイトメトリーを用いて、制御性T細胞、B細胞、NK細胞などのプロファイルの変化、活性を含めて検討した。検討の結果、water avoidance stress を用いたストレス負荷により末梢血および脾臓中のNK細胞は減少し、それに伴いNK細胞由来のサイトカイン量も変動した。
脾臓においては脾細胞のmRNA量をreal-time PCR法を用いて測定した。NK細胞のマーカーであるNK1.1のmRNA量についてはフローサイトメーターの結果と同様の傾向がみられた。しかしながら、制御性T細胞のプロファイルについてはストレス負荷前後で明らかな差はみられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アトピー素因のあるNC/Nga マウスを用いてストレス反応を様々な観点から検討できている。すなわち、皮疹、掻破行動、脳中オピオイド発現量、末梢血および脾臓中NK細胞プロファイルなどである。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでの研究の実験数を増やし、データをより強固なものにしていく。さらに、抗NK細胞抗体であるアシアロGM1抗体の投与、抗CD3抗体、抗CD4抗体などをNC/Ngaに投与し、ストレスによる掻破行動、あるいはAD発症に対する抑制効果について検討する。加えてCRF、オピオイドレセプター阻害剤を投与したのちストレスを負荷し、掻破行動あるいはAD発症に対する抑制効果についても検討する。その後、平成24年度の研究と同様に、脳、脾臓および皮膚を採取しmRNA を分離する。さらに、CRF およびμ、κ-オピオイド受容体mRNA量をreal-time PCR法を用いて測定する。同時に血清中のコルチコステロン濃度を測定し、ストレス応答に対する中枢および末梢での反応を検討し神経、免疫、皮膚のクロストークについて考察する。

次年度の研究費の使用計画

効率化が図れたため次年度に繰り越した。
平成24年度に引き続き、マウスの購入、試薬の購入に用いる。

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公開日: 2014-07-24  

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