研究課題/領域番号 |
23590713
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
池内 昌彦 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (00372730)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 痛み / 関節 / 変形性関節症 |
研究概要 |
研究計画に沿って、関節痛モデルの作製と行動学的評価、および酸感受性イオンチャネル(ASIC)ブロッカーによる鎮痛効果に関する実験を行った。1.関節痛モデルの作製と行動学的疼痛評価1)変形性関節症モデル(関節痛モデル)の作製:雄Sprague Dawleyラットを用い、片側膝関節に2%モノヨード酢酸を注射して作製する。組織学的検討により、関節軟骨の変性摩耗や軟骨下骨の破壊等の変形性関節症に合致する所見を認めた。2)行動学的疼痛評価:incapacitance meter を用いた荷重分布の左右差およびvon Freyフィラメントを用いた足底の痛覚過敏を評価した。再現性良くモノヨード酢酸投与後28日目まで持続する関節痛モデルである結果を得た。2.ASICブロッカーによる鎮痛効果に関する予備実験ASIC非選択的ブロッカーであるamilorideおよびASIC3選択的ブロッカーであるAPETx2の2種類のASICブロッカーを使用した。各ASICブロッカーは、過去の報告を参考に2種類の用量設定(amiloride: 50および150mg/kg、APETx2: 20 と50μM)とした。これらのブロッカーは関節痛を抑制する予備実験の結果を得た。ここまでの本研究の結果は、関節疾患のなかでももっとも頻度の高い変形性関節症に対するASICをターゲットにした革新的治療法開発の基盤となる重要な意義をもつと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロトコルの小さな変更点はあったものの、概ね計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
ASICブロッカーのより効果的な関節内投与方法を模索する。細かな用量設定に関する実験とヒアルロン酸ナトリウムを担体とした投与方法に関する実験を予定している。さらに、ASICブロッカーによる関節支配神経や関節構成体の変化を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物、抗体、ASICブロッカーなどに使用予定である。初年度に購入予定であった小動物麻酔器は、初年度実験において別の麻酔法で代用した。次年度以後の実験において必要なため次年度以後に購入予定である。
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