研究課題
BALB/cマウスにおいてハプテンを用いた接触過敏反応の系(アレルギー性皮膚炎の代表的モデル)で、掻破行動が表皮の免疫開始反応(例:LCの活性化)に与える因子をGeneChipで網羅的に解析する。アレルギー性皮膚炎モデルであるハプテン(TNCB)を用いた接触過敏性皮膚炎の系を用いた。あらかじめハプテン感作したBALB/cマウスにおいて、同ハプテンで惹起した耳介の、惹起前(0時間)、惹起12および24時間後の皮膚を用いて検討した。ハプテン惹起後、一部のマウスではマウス後肢、前肢による掻破(あるいは毛づくろい反応:グルーミング)行動をブロックするため、マウスの頸部周囲に襟首した(襟首付マウス)。襟首付マウス群と装着しない対照マウス群で包括的mRNA発現をジーンチップを用いて比較したところ、12時間後で127個、24時間後に8個の遺伝子の発現に差異がみられた。ジーンチップでのアノテーション解析では、12時間後に発現に差異がみられた127個の遺伝子のうち、9個が、24時間後に発現に差異がみられた8個の遺伝子のうち1個が免疫反応関連因子であった。
3: やや遅れている
継続的な研究参画を予定して教育していたテクニカルスタッフが関連病院スタッフの産休に伴う人員不足を補うために中途退職したため、十分な実験量が確保できなかった。
本年度得られた結果の再現実験を行い、発言の差異があると認定された遺伝子群のうち、免疫反応に関連することが判明している遺伝子群を中心に、リアルタイムPCR法を用いて発現の多寡の確認を行う。関与が確実視される遺伝子群に関しては当該分子に対する抗体を用いたブロッキング、あるいはsiRNA技術を用いてアレルギー性接触皮膚炎反応に影響を及ぼすか、調査を行う。平成24年度は新規に実験補助員が参加する予定である。
上述のように、確認された候補遺伝子群に対して、特異抗体を用いたブロッキング実験、siRNA技術を用いた反応系を確立するため、相当数のマウス、抗体、siRNA購入の予定である。また、遺伝子発現の多く見られた12時間後の反応の初動遺伝子確認のため、惹起6時間後でのマウス皮膚炎反応の群間比較をジーンチップを用いて行う予定である。
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