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2011 年度 実施状況報告書

三叉神経痛覚情報処理過程における神経ペプチドとGABAニューロンの関係

研究課題

研究課題/領域番号 23590719
研究機関植草学園大学

研究代表者

桑名 俊一  植草学園大学, 保健医療学部, 教授 (70129998)

研究分担者 角 友起  植草学園大学, 保健医療学部, 助教 (50551363)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード疼痛の神経機構 / 三叉神経 / 神経ペプチド / 三叉神経脊髄路核
研究概要

三叉神経を介する慢性的な疼痛や片頭痛は、脳幹の三叉神経脊髄路核内ニューロンの感作・脱感作が原因と考えられている。これらの疼痛の慢性化にサブスタンスP(SP)やカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの神経ペプチドの関与が示唆されている。本研究では、GAD67-GFPノックインマウスを用い三叉神経脊髄路核内のSPあるいはCGRPを含むニューロンあるいはそれらに対する受容体の分布とGABAニューロンの分布を比較し、三叉神経痛覚情報処理過程におけるSPおよびCGRPとGABA性ニューロンの役割を解明する。本年度は、免疫組織化学的手法の確立とCGRPニューロンと三叉神経脊髄路核内のGABA性あるいは非GABA性ニューロンとの接続様式を明らかにすることを目的とした。生後1週齢のGAD67-GFPノックインマウスの脳幹および三叉神経節を単離し、固定した。三叉神経節の切片を作成しのCGRPを免疫組織化学的に染色したところ、節内にCGRPを含む細胞体が確認できた。次いで、ビブラトームにより厚さ20μmの脳幹の横断切片を作成し、CGRPニューロンを標識したが、三叉神経脊髄路核には、はっきりした細胞体が確認できなかった。しかしながら、CGRP受容体(CRLR)の標識を行ったところ、三叉神経脊髄路核にCRLRを持つニューロンが確認された。このニューロンとGFP陽性ニューロンすなわちGABA性ニューロンとは重ならなかった。このことから、三叉神経性脊髄路核のGABA性ニューロンは、CGRP受容体を発現していないことが明らかとなった。また、非GABA性ニューロンにおいてCGRP受容体を発現しているものと発現していないものが存在した。以上の結果から、三叉神経節のCGRPニューロンは三叉神経脊髄路核で非GABA性ニューロンに接続しているものと思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は交付額の決定が遅れたため、研究の開始が遅れたが、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

(1)三叉神経脊髄路核におけるサブスタンスP(SP)の役割を解明するために、GAD67-GFPノックインマウスを用いて免疫組織化学的手法によりSPニューロンの染色ならびにSP受容体(NK-1受容体)の染色を行う。特に、GABA性あるいは非GABA性ニューロン上にどのように発現しているかを検討する。(2)GAD67-GFPノックインマウスを用いて三叉神経脊髄路核内のGABA性ニューロンおよび非GABA性ニューロンにスライスパッチ法を適用し、それぞれのニューロンに対するSPあるいはCGRPの効果を検討する。蛍光顕微鏡下でGABAニューロンが肉眼的に区別可能であるので、直視下にホールセルパッチクランプ法(電位固定法)による記録を行う。

次年度の研究費の使用計画

当初の計画に従って、大部分は免疫組織学的研究に必要な抗体や試薬等の消耗品費として使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 横隔神経運動ニューロンにおけるTASK-1チャネルの発現.2012

    • 著者名/発表者名
      桑名俊一,原田尚子,角友起,齋藤基一郎,小池和子,本田岳夫,仲嶋一範
    • 雑誌名

      植草学園大学紀要

      巻: 4 ページ: 139-143

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of GABAergic neurons in respiratory control studied using GAD67-GFP knock-in mice.2011

    • 著者名/発表者名
      Kuwana S.
    • 雑誌名

      J Physiol Sci

      巻: 61 ページ: s49

  • [学会発表] The effect of orexin on respiratory neuronal network in the isolated brainstem-spinal cord of neonatal rat2012

    • 著者名/発表者名
      Sugita T, Kuwana S, Arisaka H, Imaizumi U, Itakura S, Furuya M, Yoshida K.
    • 学会等名
      International Federation of Dental Anesthesia Societies
    • 発表場所
      Kona Hawaii, USA
    • 年月日
      March 2012
  • [学会発表] Orexin induces excitation of respiratory neural network in the isolated brainstem-spinal cord of neonatal rat.2011

    • 著者名/発表者名
      Kuwana S, Sugita T, Kaku Y, Arisaka H, Sakuraba S.
    • 学会等名
      8th IBRO World Congress of Neuroscience
    • 発表場所
      Florence, Italy
    • 年月日
      July 2011
  • [学会発表] オレキシンは新生ラットの単離脳幹-脊髄で呼吸ニューロン・ネットワークの興奮を誘発する2011

    • 著者名/発表者名
      杉田武士, 桑名俊一, 有坂博史, 今泉うの, 板倉紹子, 古屋宗孝, 吉田和市
    • 学会等名
      歯科麻酔学会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20111000

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公開日: 2013-07-10  

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