三叉神経痛の慢性化や片頭痛の成因に脳幹の三叉神経脊髄路核(Sp5c)内におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の関与が考えられている。GAD67-GFPノックインマウスを用いることでSp5cのGABA性ニューロンを蛍光顕微鏡で見ることができる。同時にCGRPならびにCGRP受容体(CRLR)の分布を免疫組織化学的手法により検討した。その結果、CGRPはSp5cの背外側部に存在していたが、核内には存在していなかった。CRLRはSp5c内のGABA性および非GABA性ニューロンにおいて発現していた。Sp5c内のCRLRの活性化が三叉神経痛の慢性化や片頭痛を引き起こすものと思われる。
|