研究課題/領域番号 |
23590727
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研究機関 | 公益財団法人先端医療振興財団 |
研究代表者 |
前田 光代 公益財団法人先端医療振興財団, 先端医療センター再生医療研究部脳神経機能再生研究グループ, 上席研究員 (40122080)
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研究分担者 |
諏訪 文彦 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067178)
上村 守 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30351472)
竹村 明道 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (00155045)
戸田 伊紀 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20197891)
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キーワード | 神経因性疼痛 / LPA1 / ミクログリア / 脊髄後角 / 脱髄 |
研究概要 |
近年リゾホスファチジン酸(LPA)が神経因性疼痛誘発因子として確認され、LPA及び その産生にかかわるリゾホスファチジルコリン(LPC)やリゾホスホリパーゼD(LPLD=Autotaxin;ATX)の抑制、あるいはそのレセプターのひとつであるLPA-1の抑制で神経因性疼痛の減少消失が報告され、治療方法の開発への期待がもたれている。ただしこれらのデータは末梢の脊髄神経が主体で、中枢である脊髄レベルでの検索はなされておらず、ミクログリアの関与についても触れられていない。そこで、神経因性疼痛モデル脊髄後角でのLPA-1の動態について検索した。 これまで数社の市販のLPA-1抗体を実験に使用したが、いずれも染色性が一定せず、データの信頼性に欠けるため、新たにウサギ二羽を用い、合成ペプチドからポリクローナル抗体を作成しカラム精製まで実施した。吸収試験により抗体反応の消失を確認し、この抗体を以後の実験に供した。この新たに作成したLPA-1抗体とiba-1抗体(ミクログリア)、GFAP抗体(アストロサイト)、APC抗体(オリゴデンドロサイト)、NeuN抗体(神経細胞)との蛍光二重免疫染色の結果、LPA-1抗体はAPC抗体と局在が一致し、オリゴデンドロサイトに局在することが示された。タンパクの量的変動に関してはWestern blottingを実施したが、ミクログリアの増加が観察される術後7日、14日ではコントロール群(非手術群)と比較して変動が見られなかった。またmRNAの変動についてはPCRを実施したが、術後1、3、5、日ではいずれも変動が認められなかった。これらの実験データからミクログリアの増加が観察される術後7~14日にかけてはLPA-1には増加や減少などの変化が認められず、LPA-1とミクログリアの動態の関連性については確認できなかった。
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