研究課題/領域番号 |
23590743
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
奥田 紀久子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60331857)
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研究分担者 |
高橋 裕子 奈良女子大学, 保健管理センター, 教授 (00346305)
近藤 和也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10263815)
棟方 百熊 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30284334)
廣原 紀恵 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70516004)
郷木 義子 就実大学, 教育学部, 教授 (90113365)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 防煙教育 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 喫煙防止教育 |
研究概要 |
本研究は、徳島県の小学生に対して実施している防煙教育の効果を長期的に検証すること、及び、効果的な防煙教育の介入方法とそのプログラムの検討を行うことを目的としている。 平成23年度は小学校12校、約1000名の児童を対象に、防煙教育を実施した。指導者は主に徳島県医師会に所属する禁煙アドバイザーとし、小学生が興味や関心を持って参加することができるように、ゲームや着ぐるみ等を活用した参加型のプログラムとした。また、ハンズフリー拡声器や、コンピューターを利用したパワーポイント教材、動画教材を活用し、児童が最後まで集中して楽しみながら学習できる工夫を行った。 これらの防煙教育の前後には、無記名式の質問し調査を実施、回答内容をコンピューターに入力し、統計的に解析した。質問内容は、(1)たばこの害に関する知識の程度を問うもの、(2)喫煙に関する意識を問うもの、(3)たばこの害を避けるための行動化を測るもの、とした。その結果、防煙教育の前後で、児童のたばこに関する意識や態度について、有意に好ましい結果が得られ、この教育的介入の効果が明らかとなった。特に、将来の喫煙予測では、防煙教育後の回答で「絶対に吸わない」と答えた児童が9割を超えており、たばこを吸わないという行動への強い動機づけが図られていることが明確である。 さらに、これらの解析から、防煙教育の如何以外の影響要因として、家族の喫煙の状況が示唆されており、今後の防煙教育プログラムへの反映が必要であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度は、当初予定とほぼ等しい、小学校12校、約1000人の児童に対して防煙教育を実施、質問紙調査を実施することができた。ただ、対照群とする小学生への調査が実施できておらず、これは本研究計画が年度途中からの開始になってしまったことから、教育委員会等の関係機関との連携が不十分だったことに起因している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の本研究の円滑な推進は、主に教育委員会との連携を図ることが重要である。防煙や受動喫煙防止に関する法整備が進む中で、県内の公共施設の禁煙対策も徐々に好転してきている。子どもの防煙環境の整備が進む一方で、本研究の目指す、子どもの生涯にわたってたばこの害による健康被害をなくすための取り組みを進めるためには、家庭の防煙環境を変えることが重要である。平成24年度から、研究分担者を加え、教育委員会、各市町、保健所との連携を強化し、家庭を含めた効果的な防煙教育とその検証を推進する。平成23年度に整備した教材、教育機器を活用し、防煙教育を実施する学校数の拡大を図る予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度からの繰越金は、23年度計画のうち、未実施である識別用シールや質問紙調査票および追加パンフレットの印刷、作成費用に充当する。併せて、分担者間の打ち合わせのための旅費、および成果を学会発表するための旅費に充当する予定である。 平成24年度予算は、当初の研究計画通り、23年度中に購入した教育機器や教材を使って、教育介入とデータ収集・入力、および、分担者、連携研究者との打ち合わせ会議のための旅費等に充当する予定である。
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