研究課題/領域番号 |
23590744
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
市場 正良 佐賀大学, 医学部, 教授 (60184628)
|
研究分担者 |
近藤 敏弘 佐賀大学, 総合分析実験センター, その他 (20186852)
上野 大介 佐賀大学, 農学部, 講師 (60423604)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | シックスクール / ホルムアルデヒド |
研究概要 |
【目的】我々は平成16年より佐賀市教育委員会の協力の元、市内小中学校の教室内気中シックハウス関連物質(VOC)の測定を行っており、日本衛生学会で発表してきた。また、結果は教育委員会より各学校に報告され、設備改善に寄与している。しかし、VOC濃度の高い教室において、どの建材や家具が発生源かは不明であった。そこで、今回、ホルムアルデヒドの放散量を現場において測定できる「柳沢センサー・ホルムアルデヒド」を用いて、ホルムアルデヒド濃度の高かったいくつかの教室における発生源の検討を行った。【方法】室内空気測定は7月下旬から8月にかけて市内58小中学校の教室内に、アルデヒド類用および有機溶剤用の拡散式サンプラーを設置し、24時間のVOCを吸着させた。サンプラーを回収し、溶媒抽出後、アルデヒド類をHPLCで、その他のVOC類をGC-MSで測定した。さらに、ホルムアルデヒド濃度の高かった教室のホルムアルデヒドの発生源を「柳沢センサー・ホルムアルデヒド」を用いて測定した。【結果】室内空気測定結果として、ホルムアルデヒドは、測定116室のうち26室で文科省指針値を超えた。平均は70μg/㎥であった。アセトアルデヒドは、測定116室のうち2室で文科省指針値を超えた。平均は13μg/㎥であった。その他のVOC類は、一部の教室でトルエン,キシレン,エチルベンゼン,2エチルヘキサノールが,検出された。ホルムアルデヒドが,高濃度であった音楽室4室について柳沢センサーで発生源を探索した。その結果,壁や天井に張られている防音ボードからの発生が確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで懸案であった発生源の特定を今回一部の教室で発見することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度も同様の調査を行い,発生源の特定を行う。特に,ホルムアルデヒド以外として,2エチルヘキサノールの発生源の特定を重点的に行うために,分析法の検討を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
23年度の同様に,サンプリング,分析の消耗品として使用する。
|