研究課題/領域番号 |
23590751
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
工藤 雄一朗 北里大学, 医学部, 講師 (60348505)
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研究分担者 |
相澤 好治 北里大学, 医学部, 教授 (10124926)
角田 正史 北里大学, 医学部, 准教授 (00271221)
小谷 誠 北里大学, 医学部, その他 (60057205)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ロックウール / 磁界測定法 / 緩和 / 緩和係数 / クリアランス / 肺内滞留性 / 半減期 / 石綿代替繊維 |
研究概要 |
石綿代替繊維の一種である日本製ロックウール(以下RW)の安全性を検討するため、ラットに対して鼻部吸入曝露実験を行い、360日間観察し、肺磁界測定法、肺内滞留性評価、肺病理学的評価にてRWの肺障害性を評価した。鼻部曝露装置を用いてオスFischer344ラット6匹を1日6時間、5日連続曝露した。曝露終了1日後に磁界測定の指標として、四三酸化鉄3mgをラットに気管内投与した。陰性対照群6匹には四三酸化鉄のみ投与した。肺磁界測定装置を用い、50mTで1秒間外部磁化を行った。磁化後、ラットから発生する残留磁界を40分間計測した。肺磁界測定は、RW曝露群および陰性対照群ともに曝露終了1日後から360日後まで行った。また、両群ともに、肺内の四三酸化鉄のクリアランスを比較した。その後ラットを屠殺し、肺を摘出し病理学的影響を評価した。また、肺内滞留性実験ではオスFischer344ラット24匹(1群6匹)を同様に曝露し、曝露終了1日後、90日後、180日後、360日後に屠殺した。肺磁界測定法では、細胞障害性を示す緩和は、RW曝露群および陰性対照群ともに観察期間でいずれも迅速にみられた。磁化後2分間の緩和係数は、RW曝露群および陰性対照群ともに差はみられなかった。四三酸化鉄のクリアランスは、両群ともに迅速にみられた。病理学的には特に影響はみられなかった。肺内滞留性実験では、長径20μm以上の繊維の半減期は62日であった。RW曝露後、細胞骨格による食胞の回転が速やかに行われたため、緩和・クリアランスは迅速であったと考えられる。繊維数および繊維サイズの減少の理由として、気管・気管支の粘液線毛運動による繊維の排泄、肺胞マクロファージによる繊維の貪食、肺内での繊維の溶解が考えられた。以上の結果からRWは肺障害性が少ないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本製のロックウールについてin vivo実験で1年間観察し、肺磁界測定法を中心に評価し、完成できた。
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今後の研究の推進方策 |
加熱したリフラクトリーセラミックファイバーについて、in vivo,in vitroにて安全性評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度はおおよそ計画通り施行することができた。また、H24年度も引き続き計画通り使用する予定である。
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