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2012 年度 実施状況報告書

nー3系不飽和脂肪酸の虚血性心疾患予防効果:LDLコレステロール機能による検討

研究課題

研究課題/領域番号 23590757
研究機関日本大学

研究代表者

谷 樹昌  日本大学, 医学部, 准教授 (30451347)

キーワードエイコサペンタエン酸
研究概要

*横断的研究に関しては駿河台日本大学コホート研究の登録者をもとに血中n-3系不飽和脂肪酸濃度(EPA, DHA)とLDLコレステロール(LDL-C)の機能の指標であるLDL粒子径、及びCAD罹患率との関係の検討しEPA,DHAと冠動脈疾患罹患率とLDL粒子径(LDL粒子径は血清EPA濃度が高くなるとLDL粒子径も増加するが、DHAにはそのような関係は認められなかった)のみならず他の動脈硬化関連マーカーとの関係を検討し、日本循環医学会学術総会で2演題、日本冠疾患学会で1演題の学会発表を行った。具体的には1)血清EPA,DHA濃度が高いほど、冠動脈疾患罹患率が低く、更にEPA,DHAの共通した動脈硬化関連マーカーとの関係は抗動脈硬化作用のあるアポリポタンパクA1の増加と関連があることが示唆された事である。2)血清EPA/AA比は前向き研究で冠動脈事故の予測マーカーであることが大規模臨床試験で示されているが、我々はEPA/AA比が高いほど冠動脈疾患罹患率が低く、更にはEPA/AA比が高いほど中性脂肪代謝、HDL代謝が改善し、更には全身の炎症反応が鎮静化することに関与する可能性を示した。3)血管内皮機能障害の指標である血清トロンボモジュリンに関して血清EPAとは相関関係はなかったが、血清DHA値とは負の相関関係があることを示した。
*前向き介入試験としてEPA製剤投与によるLDL-C粒子サイズ、冠動脈疾患関連マーカーの変化に関して学会発表(日本循環医学会学術総会)を行った。特にEPAの冠動脈疾患予防のメカニズムに中性脂肪代謝が大きく関連し、中性脂肪代謝を改善することによってLDL粒子径の増加効果を得ていることを検討したことは残存リスク対策として意義が深いと思われる。現在 Circulation journalに投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

*駿河台日本大学コホートに登録している患者7800例を対象にEPA、DHA濃度とLDL粒子径、CAD関連バイオマーカーおよびCAD罹患率との関係を明らかにすることを当初の目的とした。現在の登録症例は約1000例であり達成はされていない。しかしながら、研究計画よりもより詳細な解析を行うことによって3つの異なるテーマでの学会発表を行うことができた。現在はかかる点を公表すべく論文の作成中である。
*EPA製剤の投与による無作為前向き試験を行い、LDL粒子径、頚動脈超音波検査による頚動脈硬化の進展抑制への影響を検討する。この点に関しては高中性脂肪を有する症例に関して前向き無作為試験が完了し学会発表行うことができた。しかしながら頸動脈エコーの試行に関しては患者の同意を得た症例が少なく解析結果には加えることができなかった。現在は本テーマに関して論文の作成中である。さらに、それを補う検討として冠動脈疾患の既往を有する例を対象として前向き無作為試験が進行中である。

今後の研究の推進方策

横断研究に関しては3つのテーマで論文を作成中であり、更にデータ解析を行う予定である。前向き研究に関しても論文作成中で、現在、冠動脈疾患患者を対象に前向き無作為試験が進行中である。

次年度の研究費の使用計画

*横断研究に関する3つの論文作成にともなう英文校正、論文投稿に伴う費用。
*冠動脈疾患患者を対象にした前向き無作為試験試験を行うに当たっての血液検査(外注)に伴う費用。
*上記の結果を国際学会で発表するための海外渡航費など。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] n-3 多価不飽和脂肪酸の血管内皮障害予防効果の可能性:可溶性トロンボモジュリンによる検討

    • 著者名/発表者名
      河内 謙次,谷  樹昌,川俣 博文,古屋 真吾,高橋  宏、飯田  圭,松本 真明,小張  力,鷲尾 武彦,長尾  建平山 篤志
    • 学会等名
      第26回日本冠動脈疾患学会学術集会
    • 発表場所
      東京
  • [学会発表] Highly Purified Eicosapentaenoic Acid May Increase the LDL-particle Size by Improving Triglyceride Metabolism in Patients with Hypertriglyceridemia.

    • 著者名/発表者名
      Shigemasa Tani, Ken Nagao, Hirofumi Kawamata, Shingo Furuya, Hiroshi Takahashi, Kiyoshi Iida, Michiaki Matsumoto, Chikara Kobari, Takehiko Washio, Atsushi Hirayama
    • 学会等名
      he 77th Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society,
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] Association of N-3 Polyunsaturated Fatty Acids and Coronary Artery Disease Morbidity with Atherosclerosis-Related Markers

    • 著者名/発表者名
      Shigemasa Tani, Ken Nagao, Hirofumi Kawamata, Shingo Furuya, Hiroshi Takahashi, Kiyoshi Iida, Michiaki Matsumoto, Chikara Kobari, Takehiko Washio, Koichiro Kazato, Atsushi Hirayama
    • 学会等名
      The 77th Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] Fish Consumption-derived High Eicosapentaenoic Acid / Arachidonoenic Acid Ratio May Reduce Atherosclerotic Cardiovascular Risk: Implication of Atherosclerotic Cardiovascular Biomarker

    • 著者名/発表者名
      Shigemasa Tani, Ken Nagao, Hirofumi Kawamata, Shingo Furuya, Hiroshi Takahashi, Kiyoshi Iida, Michiaki Matsumoto, Chikara Kobari, Takehiko Washio, Koichiro Kazato, Atsushi Hirayama
    • 学会等名
      The 77th Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] 内科パネルディスカッション2:冠動脈イベントを予測できるか?血清エイコサペンタエン酸 / アラキドンサン酸 (EPA/AA) 比は冠動脈疾患発症の予測バイオマーカーになるか

    • 著者名/発表者名
      谷 樹昌,長尾  建,川俣 博文,古屋 真吾,高橋  宏飯田  圭,松本 真明,小張  力,鷲尾 武彦,風戸光一郎、平山 篤志
    • 学会等名
      第26回日本冠動脈疾患学会学術集会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2014-07-24  

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