エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)はバイオ燃料として使用されている。先行研究では高濃度ばく露後、マウスの肝障害を誘発し毒性が弱いことが示唆された。代謝酵素ALDH2活性の高、低と無の3種類マウスを用いて低濃度ETBEの吸入ばく露実験を行った。酵素活性高のマウスでは肝臓などにDNA損傷度の上昇はなかったが、活性の低と無マウスでは200ppm以上のばく露により有意に上昇した。ETBE曝露後血中及び尿中の代謝物を解析した結果、ALDH2酵素はETBEの中間代謝物アセトアルデヒドだけではなく、もう一つの中間代謝物であるターシャリーブチルアルコールの代謝と毒性発現にも関与することが判明した。
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