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2012 年度 実施状況報告書

高齢労働者の暑熱負担と暑熱基準の妥当性に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590767
研究機関独立行政法人労働安全衛生総合研究所

研究代表者

上野 哲  独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 人間工学・リスク管理研究グループ, 主任研究員 (60291944)

キーワード高齢者 / 熱中症 / 暑熱基準 / 代謝率
研究概要

高齢労働者は今後増加すると予想されるが、暑熱ストレスに対する抵抗力が若年者より低いとされるため、若年者と高齢者で同じ基準でいいのか検討が必要である。労働環境において熱中症の要因は暑熱環境だけではなく、高代謝作業も挙げられる。熱中症の対策には、作業時の代謝率を正しく見積もることが必要となる。作業現場で簡易的に代謝率を予測するには、心拍数から予測する方法が最も簡便で定量的な方法と考えられる。ISO8996では心拍数から代謝率を見積もる式が年齢、体重、性別に示されているが、環境温度を考慮に入れていない。高齢者7名と若年者7名の健康な被験者を対象に人工気象室内で湿度は40%一定で25,30,35℃の3種類の温度で、各1日ずつエルゴメータによる3段階の負荷を行った。実験は、残暑が厳しく暑熱順化している2012年9月~10月初旬に行った。最大酸素摂取量は心拍数と代謝率の線形性を仮定して推定した。推定最大酸素摂取量は、高齢労働者で気温による有意差はなかった。心拍数からISO8996を用いて予測した代謝率と実測の代謝率の平均値は、有意差がなかった。しかし、相対平均2乗偏差は20%ほどあり誤差はある程度認められた。心拍数と代謝率の個人特性を考慮する必要があることが示された。従って、心拍数ではなく安静時の心拍数からの差と年齢、体重を説明変数とし、目的変数を代謝率として重回帰分析で予測式を求めた。気温が有意な説明変数となり、高齢者においては予測代謝率の計算には気温の影響を考慮にいれる必要があることを示唆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

夏に予定していた建設業労働者を対象とした現場調査がうまくいかなかったため。

今後の研究の推進方策

暑熱ストレスが高く熱中症の発生数が多い夏に、建設業労働者の現場での暑熱負担に関する現場調査を実施する予定である。建設業従事者に対するアンケート調査も計画する。

次年度の研究費の使用計画

現場調査での被験者に対しての謝金、研究補助者に対しての謝金を100万円。
建設業従事者に対するアンケート調査を行うため、30万円。
文献費20万円、学会旅費および参加費16万円、その他10万円。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Correction of the evaporative resistance of clothing by the temperature of skin fabric on a sweating and walking thermal manikin.2012

    • 著者名/発表者名
      Ueno S, Sawada S
    • 雑誌名

      Textile Research Journal

      巻: 82 ページ: 1143-56

    • DOI

      10.1177/0040517511427966

    • 査読あり
  • [学会発表] Heat strain at work in Japanese construction workers and their necessary water intake in summer2012

    • 著者名/発表者名
      Ueno S et al.
    • 学会等名
      9th International Meeting for Manikins and Modeling.
    • 発表場所
      Waseda Univ
    • 年月日
      20120822-20120824
  • [学会発表] 屋外業務上熱中症死亡災害は猛暑の時しか起きないのか?

    • 著者名/発表者名
      上野哲、澤田晋一、登内道彦
    • 学会等名
      日本産業衛生学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場

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公開日: 2014-07-24  

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