建設業従事者を対象とした夏季の現場調査では、午後前半で環境の暑熱ストレスが最も高く、心拍数、水分喪失量、深部体温が高かった。平均体重減少率は1.2%で約半数がACGIH-TLVの基準を超えていた。摂水量は、水分喪失量の約半分であり、仕事中に脱水を起こす可能性がある。作業時の高い暑熱負担を緩和するため、昼食時に十分な食事、水分、休憩をとることの重要性が示された。ISO7243のような暑熱ストレス基準を現場に適用するには、作業時の代謝率を正確に予測する必要がある。気温、体重、体脂肪率に加えて予備心拍数又は正味心拍数を用いると代謝率を正確に予測できることを被験者実験で示した。
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